次世代型の省エネルギーとしての「省エネルギー3.0」

ここで筆者の考える次世代型省エネルギー、筆者はそれを「省エネルギー3.0」と呼びたいと思っておりますが、それについて説明したいと思います。

その前にまず省エネルギーやエネルギー効率化をビジネスとして展開しようとする場合、その営業時点における顧客側の担当責任者の典型的な反応をご存知でしょうか。

「当社では今まで省エネを徹底的にやり切ってきたので、もうこれ以上の余地はないと諦めている」

「さらにこれ以上の省エネをと言われると、もう再エネ導入しかない」

「そもそも経営陣があまり省エネに関心も期待もないので、社内でなかなか進めることができない」

以上のような答えというか、省エネルギーやエネルギー効率化を進めない「言い訳」をよく聞きます。

前項でも述べたように、省エネルギーやエネルギー効率化を単なる電力やガスなどのユーティリティのコスト削減と捉えて、その方策導入の初期投資を期待されるコスト削減で除することで単純投資回収年数を算出し、費用対効果とする考え方に立てば、上記のような答えが出てくることも止むを得ないのかもしれません。

例えば、単純投資回収が3年以内の方策がそんなにゴロゴロと現場にあるような施設は、さすがに日本国には多くありませんので。しかしながら、そのような施設であっても、どこでどのようなエネルギーが使用されているのか、その使用状況は果たして効率的なのかどうか、といったエネルギーの管理体制がしっかり確立されているかというと、必ずしも十分ではないことが一般的です。

会社としての売上や利益を日次、月次、四半期、年次としっかり把握・管理がされているのは、上場しているような優良企業では当たり前となっておりますが、そのようなところでもエネルギーなどのユーティリティデータの管理となるとまだまだです。

そのためのデータ管理システムが導入されていたとしても、すでに昔導入したソフトウエアのバージョンアップができていなかったり、そのシステムからのデータを使いこなしている人が退社したために、誰もIDやPWも分からなくなっていたり、というお粗末なケースさえ散見されます。

つまり、人に依存した管理システムであり、デジタル化がほとんど進んでいないということです。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『データドリブン脱炭素経営』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。