大企業を辞めるということは、それなりの覚悟が必要なことです。家族を養うということは、責任と覚悟が伴います。それを自覚せず、転勤が嫌だから辞めたいと言った自分のことを、このとき反省すべきだったのです。

誰のせいでもない、自分が決めたこと。新しい会社が悪いのではない、しっかりとした見通しも立てずに会社を辞めた自分の責任です。

この会社での生活は、それほど長くは続きませんでした。給与も以前とは違い、不安定な上に、昇給もほとんどない。そんな中で住宅ローンもあり、子どもも二人いる。

夫の転職に合わせて私がそれなりの給与の教員という職に就いてはいたものの、講師という不安定な立場の上、子どもの調子が悪いときは私が面倒を見ることが多く、一人で安定した仕事と子育てを両立させることは難しいことでした。

毎月のローンが負担で、これ以上無理かもしれないと、眠れないこともありました。そのことを夫に相談しても、まるで人ごとのように、

「じゃあ、どうすればいいの?」

と。どうすればいいか聞くのではなく、どうすべきかを二人で考えるのではないのでしょうか?

こんなときも、私は一人で今後の家計の管理についていろいろと調べ、なんとかこのまま家を維持できるように踏ん張りました。

夫の実家の援助もあり、なんとか数年はこの状態を維持しましたが、夫の会社がこれ以上昇給も見込めない上に、仕事も減ってきて、このままでは本当にローンが払えなくなりそうな状態になり、夫は2度目の転職を決めました。

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※本記事は、2021年6月刊行の書籍『カサンドラ症候群からの脱却』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。