柏崎家具(仮)

ここでは、仮のショップを例に出します。柏崎家具は、地方で小さな家具ショップを営んでいます。このお店に協力されているウェブコンサルタントの方から、このようなSEO対策の依頼が来ました。

「家具で上位表示できますか?」

……。更にそのあとに続いた質問として、「これ以外にも、何か良いキーワードがあったら教えてください」でした。ここで注意していただきたいのが、決して【お店の規模にがっかり】しているわけではありません。

聞く人を間違えている

さて、一番悲しかったのは、【そんなビッグワードで上がるわけがない】といった難易度の事ではありません。

※正直な話、難易度も相当高いのは事実です。「何か良いキーワードありますか?」の部分です。そもそも誰が商売をしているのでしょうか。私はお店のオーナーではありませんし、責任者でもありません。

そのビジネスは、誰が何を目標として、どのような戦略で営まれているのでしょうか? また、どのようなニーズをもつお客様に来てほしいのでしょうか? そのような事を責任者に聞かず、自分でも考えず、赤の他人に聞いてしまうくらいであれば、コンサルタントや代理店は辞めたほうがよいと率直に思います。

オーナーに問題があるわけではない

どのような要望があったのかはわかりませんが、現場でのオーナー(責任者)は、コンサルタントに対して思いの丈や目標を語っていたのではないでしょうか。100歩譲って「どうしたらよいか?」とだけオーナーに聞かれたとしても、「何か良いキーワードはありますか?」と質問するような結論に至ってしまうのはヒアリング不足です。少なからず、聞けば色々と出てくるはずです。

「うちの店は小さいけど、地元で30年も営んでいる実績があり、いい商品を扱っている自信がある。全国の皆さんに知って欲しいし、ネット通販も導入したので、遠方のお客様にも家具をお届けしたい!」とか「うちはカフェやレストランといった飲食店に人気ですよ。少し高いですが、手作りの温かさもあり、見た目もオシャレさにもこだわっています。1つ1つ思い入れのある作品なので、商品の説明やこだわりポイントは解説しますので任せてください」といった話を引き出せるのではないでしょうか。

家具屋さんは、ウェブコンサルタントではないので、何を伝えてよいかがわからないだけです。オーナーの目標を【WEBにどのような戦略で、落とし込めるか】が、腕の見せ所ではないでしょうか? もう一度、目標をしっかりと聞いてください。

それでもなお、オーナーに、「何を目標としてよいかもわからんし、どういう客に来て欲しいかもわからん。やる気もないし、伝える事は何もない!」と言われた場合は、店を畳んで人生相談に行っていただいた方がよいです。

まとめ

この章は、主に自分の体験談から書きましたが、実際このようなフワフワとした感じで、SEOの提案・導入をされている方がいるのではないでしょうか。これはSEOという手段だけが決まって(要望されて)いて、目標や戦略が不明確な状態で起こりやすいパターンです(これが言いたかった)。

つまり、「SEOをやりたいんだけど、それっぽい良さげなキーワードを適当に設定して、誰かにぶん投げちゃえばよいかな」と考えているコンサルタントや代理店が多いのです。

もちろん、ご自身でホームページを運用されている方も、まずは「SEO対策が必要か?」といった基本的な部分から、「どういった目標があり、どのような人々に来てもらいたいのか」と、原点に立ち戻って考えてみてはいかがでしょうか。

※本記事は、2021年10月刊行の書籍『目からウロコのSEO対策「真」常識』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。