なお、基本演習に所属しない学生は除籍・退学・休学のいずれかに該当する。基本演習の定員は20名程度である。そこに所属するプロセスは以下の要領で行われる。

まず、『希望調査』で記入された第1希望にもとづいた割り振りが行われる。ある基本演習を第1希望にした学生総数が収容定員未満であれば、そのまま第1希望通りの所属となる。一方、希望した学生総数が収容定員を超えた場合は、導入講義の成績にもとづいた抽選が行われる。

第1希望の抽選で漏れた学生は第2希望にもとづいた割り振りに回るが、その方法は第1希望の割り振り方と同じである。すなわち、収容定員を満たしていない基本演習を第2希望にした学生総数が、(第1希望で決まった人数を除いた)収容可能人数未満であれば、そのまま第2希望通りの所属となる。さもなくば成績にもとづいた抽選が行われる。

以下、第3希望以降の割り振りについても同様の方法で行われ、所属学生全員がどこかの基本演習に所属できる仕組みになっている3。なお、『希望調査』を提出しなかった学生は、提出した学生の割り振りがすべて終えてから定員を満たしていない基本演習にランダムに割り振られる。

基本演習は、3回生以降履修する専門演習(2年間連続履修で8単位)の導入として開講される。そして、専門演習の履修には2回生秋学期に行われる選考に合格しなければならない。専門演習の定員は20名で、各教員は3回の募集で定員を充足するように学生の選考を行う。そのプロセスは以下の通りである。

通常毎年10月に翌年度開講される専門演習の概要(演習内容や選考方法など)が公開される。そして、11月に1次募集が開始される。学生は、希望する専門演習の担当教員に対して書類(調査書。担当教員によっては追加レポートも)を提出しなければならない。ただし、応募自体は本学部開講はもちろんのこと、一部の他学部開講の専門演習についても可能である。

各教員は調査書の内容や(場合によって)追加レポート、面接・面談などを通じて学生の選抜を行う。その結果は12月下旬に公表され、そこで選ばれればその専門演習を3回生以降履修することになる。

1次募集の選考に漏れた学生および1次募集に応募しなかった学生は2次募集に回る。2次募集は1次募集の結果発表とともにその概要(演習内容、収容可能人数、選考方法など)が公開され、1月初旬に募集が行われる。それ以降のプロセスは1次募集と同じである。

その結果は1月下旬に公表され、そこでも選考に漏れたり応募しなかった学生対象に3次募集の概要が公開される。そして、これまでと同様のプロセスを経て、2月下旬にその結果が公表される。なお、最終的に専門演習に所属しなかった学生は除籍・退学・休学になったか、自ら未履修を選択したかのいずれかである4


注3▶ただし、2018年度入学の学生から新カリキュラムが施行され、予備登録により基本演習を履修するようになった。なお、このカリキュラム改訂により、導入講義は1回生秋学期に前倒しされ、基本演習は2回生春学期にも開講されるようになった。

注4▶なぜ専門演習が未履修でも卒業できるのかと言うと、この科目が(選択)必修となっていないからである。ちなみに、本学部において学生が卒業時点でどのコース所属として卒業するのかについては、コース認定を受ける必要がある。それには導入講義、基本演習および専門演習の他に、「コース・コア科目」という科目群からいくつかの講義を履修する必要がある。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『学生の「やる気」の見分け方』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。