3.グアニジノ基の検索結果

胃粘膜保護薬ベネキサート(ウルグート等)は対象基が端にあるのでオルメサルタンと反応し得るのではないかと思いましたが、一包化への注意書きはありません。カプセル剤なので中身の変化が分からないだけかもしれません。アルギ顆粒は特殊な適応(先天性尿素サイクル異常症等)のため、一包化自体がされない印象があります。その他は注射薬や吸入薬のため、オルメサルタンと一包化されませんが、参考のために掲載しておきました。

余話

図表3中の抗インフルエンザウイルス薬のイナビルとリレンザは、その構造の一部がメトキシ基か水酸基だけの違いなだけでほぼ同構造のため、どちらかにアレルギーがあるともう一方は利用できない可能性が高くなります。

写真を拡大 [図表3]グアニジノ基の検索結果

⑥メトホルミンの配合錠[( )内は配合相手薬]

最近は作用機序の異なる同効薬の配合薬が多くなってきました。メトホルミンを含む配合薬にも当然オルメサルタンとの一包化注意があるものと思い、チェックして

(1)一包化注意記載あり:イニシンク(アログリプチン)、メトアナ(アナグリプチン)、メタクト(ピオグリタゾン)

(2)一包化注意記載なし:エクメット(ビルダグリプチン)

なぜかエクメットに関しては一包化への注意がありません。ある薬局薬剤師さんがメーカーに照会したところ、配合実験をしたが不都合はなかったと回答があったそうです。それでも変色は起こり得ると考えた方が無難な気がします。

⑦まとめ

配合変化は、2種類以上の粉薬を混ぜ合わせるとき、液体の薬を混ぜ合わせるとき、注射薬を混ぜ合わせるときなどさまざまな場面で起こり得ます。一般に薬の効果は下がりますし、そもそも薬が吸収されない場合もあります。

※本記事は、2021年7月刊行の書籍『知って納得! 薬のおはなし』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。