三位一体の国際イニシアチブ対応

【図表1】EP100は「脱酸素経営」の基礎

前項ではEP100イニシアチブへの取り組みの有効性を説きましたが、可能であれば同時にRE100とSBT(Science Based Targets、科学と整合した目標設定)との三位一体的な対応が、2050年カーボンニュートラルに挑戦する脱炭素経営企業としてはさらに確かなものになるでしょう。

もうすでにSBTやRE100宣言をしている企業においては、そこにEP100の「体重計」を加えないと基礎がしっかりしていない「砂上の楼閣」になりはしないか心配ですので、ぜひともEP100宣言を加えて対応体制を三位一体としていただきたいものです。

EP100によって自らの企業体質を筋肉質にしつつ、その前提で自らの事業を賄うエネルギーを脱炭素化するために、すべてを再生可能エネルギーにするというRE100を追求し、さらに自らの事業に関連するサプライチェーン全体も含めた脱炭素化を推進するためにも、SBT構想に取り組む。

このEP100の基礎の上に、RE100とSBTがあるという三位一体が大変座りが良いではありませんか。企業として経営層のコミットメントによるトップダウンにて、この三位一体の構想宣言と実施計画を推進することで脱炭素化の基盤ができます。

世界的な脱炭素社会構築に向けた大きな潮流において、個別企業として中長期的に持続可能、サステナブルな経営であることを示していくことが今後の経営者には求められ、そのような大きなビジョンを掲げる経営者が引っ張る組織・企業こそが、ESG投資家も期待している真の脱炭素経営企業と言えるのではないでしょうか。