人の死後は、魂に感情だけが存在する。そして感情の記憶だけが残る。感情の記憶とは、いったい何か。たとえるならば、野球のキャッチボールをしたとき、“あっ、これ前にしたことがある”というような感情が生じると思う。野球を全て思い出すのではなく、野球のキャッチボールだけを思い出したときの感情である。

亡くなった人の魂は、生きている人がその亡くなった人を頻繁に強く思い出すと、生きていた人に引き付けられ、“私は人間だったのだ”という感情を思い出す。

しかし、しばらくすると生きている人が思い出さなくなり、魂は霊界で永遠に眠って過ごす。魂は消滅はしない。“私は人間だったのだ”と魂が思い出すのは、人がその亡くなった人を強く思うときだけ出る。強く思わなければ魂は、何も感じない。

神の仕事は、感情を植え付けることだと述べた。神自身の感情が薄いと人の魂も薄くなる。神自身の感情が濃くなれば人の魂も濃くなる。人の魂は、人の心に大きく影響を与える。愛情、喜び、根気強さに満ちた神であると、人の心も愛情、喜び、根気強さに満ち溢れるのだ。

これまたとんでもないことを書くと思われるだろう。

生きている人が、死んだ人の魂の声を聞いたことがあるという話はよくある。でもこれは魂自身がその魂の記憶で話すのではなく、聞く人の記憶を使って、神が話しているのである。

しっかりと亡くなった人の声が聞こえるからその人自身の魂だと思う気持ちは分かる。でもあなたの脳には、亡くなった人の声が、しっかり記憶されているのである。