紅茶のいれ方プロの技伝授

ここから先は、脱線して、自由な発想で自分の好みの紅茶に、発展させてみるのはいかがだろう。人の好みは千差万別で、国によっても、美味しいとされる紅茶はさまざまである。英国式ばかりが紅茶ではないので、基本は押さえつつ、創造性ある発展をさせなければ、面白くない。ですよね。

あくまで、紅茶の成分と味の関係を決める物理・化学法則を踏まえての脱線だが。

例えば、

●熱いお湯を使わないでおいしい紅茶を作れないのか?

⇒水出し紅茶といういれ方もあるので、出来るはず。

●紅茶を通常より多くたっぷりと使って、渋すぎない紅茶を作れないのか?

●香りが特に良く出た紅茶を作れないのか?

⇒たくさんの紅茶を使えば、香りの成分もその分多いはず。渋みを出さずに香りだけよく出せればいいのだが。

●砂糖をたくさん加えた甘い紅茶をおいしく作るにはどうすればよいか?

⇒紅茶の渋みとバランスする糖分の甘みがあるはず。そして、自分の好みのミルクの多さは、トライアングルのように決まる。そして紅茶液の濃さ(ポリフェノール濃度)に応じた甘さとミルク量のバランスを選んで決める。

●レモンティーなど果汁が入りすぎると酸っぱくなり、飲みにくくなるが、美味しいバランスのフルーツティーはどうしたら作れるのか?

⇒果汁系の飲み物には、糖度と酸度のバランスが上手くマッチングしていなければ、甘すぎるジュース、酸っぱすぎるジュースになってしまう。果汁飲料では、バランスの良い糖と酸の比率に、調整して飲料化することがおいしさのポイントである。そこに渋みを持つ紅茶の香味を加える。

または、紅茶にジュースのおいしさを加えるとどうしても強い味になってしまうので、相当薄めて、味作りをするのが普通である。一般に飲料化する場合には100%果汁の糖度は10~12%あるが、レモンティーやアップルティーの糖度は4%程度に設定している。約3分の一の可溶性固形分濃度である。

自分の好みで、紅茶の濃さ・砂糖など糖分の量・レモンやリンゴなどの果汁量を決めて酸味と渋みが喧嘩しないように、軽いソフトドリンク風の飲み物にすればごくごく飲める。

紅茶の味わいのもとになる主成分は、渋みの成分である茶に特有なポリフェノールがトップに来る。含有量の多い順に並べてみると、テアルビジンやテアフラビンという紅茶ポリフェノールは無数の種類で構成される。概して柔らかい渋みだがその味の幅は多岐にわたる。

次いで緑茶ポリフェノールであるカテキン類はやや鋭い渋みを有する。そしてポリフェノールとは異なる薬のような苦みを持つ成分として生理作用を有するカフェインがある。

その他含有比率は低いが、植物体の構成成分であるアミノ酸・ペプチド・たんぱく質系物質、単糖類から多糖類に至る炭水化物、そしてカリウムをはじめとする主たるミネラル分に加え多種の微量元素も少なからず味に貢献しているはずである。

さらに忘れてはならない紅茶の香り、すなわち揮発性の香気成分はテルペン類などの小さな分子がほとんどだが、可溶性固形分に占める重量割合は、上記の味の成分に比べてはるかに小さく、パーセントとして表してもけた違いに少ない含有量である。

多種の成分の話で少し混乱させてしまったかもしれないが、ポイントは渋み成分と香り成分のコントロールだ。