文献検索からの情報

ニューキノロン系薬とNSAIDs併用に関する報告は数多くあります。ここでは無作為に選んだ5つの文献(3ページ参照)からの情報のみで考察するため、偏った見解になることはあらかじめご了解ください。

1. 添付文書上で併用禁忌となっている組み合わせについて

併用禁忌のある2種類のNSAIDs全てに2報ずつ、NQとの併用による痙攣誘発やGABAA受容体阻害効果の報告がありました。併用による悪影響は確実にありそうです。

2. 添付文書上併用注意となっている組み合わせについて

プラノプロフェンで痙攣誘発、ナプロキセンで受容体阻害効果増強の報告が各1報あります。ジクロフェナク、ロキソプロフェン、イブプロフェン、ザルトプロフェンでは併用による影響はないようです。

しかしイブプロフェンで痙攣活性が高まるという別の報告もあります。併用注意の中には痙攣を誘発するものとしないものがあり一定の評価はできませんが、少なくとも注意を喚起すべき組み合わせと考えられます。

3.添付文書上併用注意がない組み合わせについて

インドメタシン以外は併用による悪影響はない報告が多く、併用注意がない根拠になっていると思われます(全てのNSAIDsを調査したわけではないので思い込みには注意が必要です)。メフェナム酸では痙攣誘発なしが2報あるので、メフェナム酸は安全なNSAIDsと思われます。インドメタシンでは、GABAA受容体阻害効果ありと痙攣発作なしの相反する報告が出ています。