しかし、添付文書のみでは本当に注意すべき報告があるのかが分からないので、各メーカーさんに確認した結果が図表2のようになります。

[図表2]メーカー確認内容

※スタチンの最終的な作用はLDL受容体の発現になります。そのLDL受容体はいったん合成されるとある程度長持ちして再利用されることが知られています。この仕組みが、スタチンの吸収阻害があっても効果が継続する理由かもしれません。

なおAlとMgの合剤は制酸剤と表記します。クレストールⓇ(ロスバスタチン)のみがAl&Mg製剤(マーロックスⓇ)で吸収抑制される理由の詳細は分かっていないのが現状で、アストラゼネカ社に確認したところ以下の理由が考えられるそうです。

(1)消化管内でMgイオン等と結合して非吸収体となる。何らかの構造上の特徴が関係するのか?

(2)消化管内pH上昇でクレストールのイオン化が進み吸収が減少する。クレストールのpKaと他のスタチンのpKaを比較しても大きな差はないので、苦しい推論か?

(3)制酸剤で消化管運動が亢進され吸収が遅れる。どのスタチンでも共通の話になるので、これも苦しい推論か?

以上3つの推論で最も考えられそうなのが、1の金属イオンとの結合説ではないでしょうか。

※本記事は、2021年7月刊行の書籍『知って納得! 薬のおはなし』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。