しけあとの雲の動きの迅くしてもるる日射は海に移れり

山峡の遅き若葉に音立てて五月の雨はすぐにやむなり

 

国ざかひ越えつつ下る汽車迅し百済野遠く展け初めぬ

※本記事は、2021年5月刊行の書籍『短歌集 蒼龍の如く』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。