ヒカルという女子高生について

帰宅した後、SNSで彼女の情報を収集しようとしたが、検索しても見つからなかった。俺のソーシャルリサーチ力は低い。もう少し粘れば見つけられたかも知れないが、そもそも個人情報を勝手に検索する行為には抵抗があるので、早々に打ち切った。

代わりにあそこのカフェのことを調べた。北欧テイストのカフェで、そこそこ有名らしい。北欧でコーヒーやカフェ文化が盛んなことを初めて知った。学生時代カフェでバイトしていたのに、自分のコーヒーやカフェに対する知識なんてその程度である。

あの店で好感が持てるところは、本格感がある洒落た店なのに、コーヒーの値段があまり高くないところだ。チェーン展開しているコーヒー店とさほど変わらない。ただやっぱり女子高生があの時間帯に一人で通いやすい店ではないよな。おじいさんが心配するのも無理はない。

それとも、こういう北欧テイストのカフェが好きなのだろうか。だとしたらなかなか大人っぽい趣味だが、おかしいということはない。高校生だったら自分の好きな世界観を確立している子もいる。

それからヒカルがどんな子か少し考えを巡らせる。あの明るい髪、濃い化粧、派手なピアス……。「見た目で人を判断してはいけない」という意見は、それはそれで正しいのだろうけれど、外見はその人の一部でもあるはずだ。

やっぱりあの攻撃的な見た目は「近づいて欲しくない」という彼女の内面の表れに思えて、声をかけづらい。けれどヒカルがどんな人間か興味がないかと言えばそんなことはまったくない。