雑草管理に関連するさまざまな事柄について

2.雑草の制御方法

マガモとアヒルの交配種のアイガモ(合鴨)を用いた除草も無農薬の雑草制御技術として注目されています。その除草の原理はアイガモが雑草を餌として食べることと、水田を泳ぎまわることにより雑草の根の活着を抑えることにあります。また、アイガモ除草には、アイガモがイネの株間を歩き回ることにより、イネに付着した朝露が払われてイモチ病などの病害が減少するという副次効果もあります。しかし、米糠除草と同様に効かない雑草があります。

コナギの英名がduck saladというだけあって、アイガモはコナギを好んで食べますが、イヌビエやオモダカは植物体が硬いためか敬遠されるようです。さらに、野犬、イタチ、キツネなどからアイガモを守るために電気柵や配電設備などの余計な投資が必要になります。その上、雑草が電線に触れてショートしないように電気柵の周囲をこまめに除草しなければなりません。

この他にも、水田内にアイガモの溜まり場の裸地ができてしまうことや、アイガモの糞尿によって河川環境が悪化すること、さらには食肉用に加工・販売するために余計な手間がかかることなど、アイガモ除草は見た目とは裏腹にかなりの労力とコストを要する雑草管理手法といえます。