対策案6……未来に備えて町はすべてコンパクトシティ化する

2000年以降、都市のコンパクトシティ化がよく言われるようになった。電気や上下水道などのインフラ建設や補修をしやすくするため、いろいろな施設、住宅を町中心に集めた構造にしようとする考えだ。

世界が、化石燃料から再生可能エネルギーに切り替わると、エネルギー消費が小さくなる。したがって、建設や補修に使えるエネルギーも小さくなる。もちろん、車に使うエネルギーも小さくなっている。エネルギーが小さくなる社会環境で生活レベルを落とさないようにすると、社会インフラが必然的にコンパクトになる。

トラックの馬力は大幅に低下し、大型トラックは無くなるため、電車が陸地での大量輸送手段になるだろうと思われる。そのときは、現在の住宅分布とは変わって駅周辺にさらに住居が増えるようになる。駅を中心にしたコンパクトシティが予想される。

250年後の世界人口は、ピーク時代の1/10程度に低下する。二酸化炭素を少なくすることと、環境維持には世界人口10億人程度がいいだろう。

現在のような大型船は作れないので、食料輸出・輸入は難しくなる。食料は、人口が減少することで、全ての国で自給するようになるだろう。駅周辺が住居、商業施設となり、さらにその周辺が、食料生産用の工場、生産地になるのではないだろうか。

ものづくりはどうなるだろうか。コンパクトシティ内には、修理する施設や資源分別施設が増えるのでは思う。ゴミ問題があるので安易にゴミを出してしまうような新品を買った方が安いという考えは無くなっていき、また工場は人口減少で小規模になるだけでなく、リサイクル品を生産するような工場が増えていくだろう。

衣服は現在のように流通しない。人口が少なくなるからではない。現在情報通信網が世界全体に備わっている。そこで、自宅に複数の糸巻つきミシンを置き、パソコン等で衣服のデータをダウンロードして、ミシンで編み上げる。こうすると自宅で好みの衣服が出来上がるのである。プリンタのインクが糸になったようなものと考えればいい。こうすればトラックで運ばなくていいのだ。

現段階では試作品もなさそうであるが、編み機のメーカでは、糸だけによる継ぎ目のないセータを10年以上前から編み上げ機械で作り上げている。だから小型化することにより自宅で衣服ができるのである。セータとワンピースは作り方が違うだろうが、結構ワンピースぐらいできてしまうかもしれない。

まあ、最初はハンカチ、タオル、セータ、簡単な構造の下着、Tシャツぐらいかもしれない。そんなに早く編み上げなくてもいいのなら、ポロシャツ、トレーナー、運動着もできるだろう。ボタンの自動取り付けがミシンでできれば、フルオーダースーツだってできるようになる。そうなると、もう衣服を売る店はいらなくなるだろう。

各家庭がミシンを持つとゴミ問題、修理の問題も発生してしまうため、自宅から歩いて10分ぐらいのところにミシンの施設を置き、たくさんの人が使えるようにすれば、保守や修理の管理がしやすくなるから、こちらの方がいいかもしれない。

森林保全等で、過疎地に住む人たちには、このような編み機が絶対に必要になる。また、無人ドローン機を輸送手段に使ってもいいだろう。

※本記事は、2021年7月刊行の書籍『新地球論―新宇宙論―新神論』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。