成人式

毎年恒例(こうれい)になってしまった感のある、「()れる成人式」の報道(ほうどう)

父「また成人式が……」

子「なんか歌舞伎(かぶき)みたいな恰好で(さわ)いでたね」

父「歌舞伎(かぶき)役者さん怒ってくるよ。ただの派手(はで)な着物だよ」

子「そんなに成人したのが(うれ)しいのかな」

父「(ちが)うと思う。大人になりましたって儀式(ぎしき)で、警察(けいさつ)が来るほど(さわ)いでいたら大人じゃないよね」

子「じゃあ何で(さわ)いでるの」

父「(さわ)ぐために(さわ)いでいるんだよ。テレビが()りに来て、全国放送で流すから、目立ちたい人にとってはたまらないわね」

子「目立ちたかったんだ。別に成人式じゃなくてもいいよね」

父「そうだね。恒例(こうれい)になってしまっているね。そもそも、市全体で集まるのが不思議なのよ。同い年って言ったって知らない人ばっかりだし。今年は○○って有名人が来るとか来ないとか、関係ないじゃん。学校単位とかで集まって、近くの神社に参拝(さんぱい)して、そのあと同窓会(どうそうかい)でいいじゃん。お父さん、成人式行くのがめちゃくちゃ面倒(めんどう)くさくて、いやいや行った」

子「目立ちたくなかったってことか」

父「いやいや、みんながみんな(さわ)いでいるわけじゃないのよ。ね、そう思われちゃうでしょ?ごくごく一部! 海外にもその映像(えいぞう)が流れちゃってるんだよ」

子「日本中の成人式で(さわ)いで警察(けいさつ)が来てるって思っちゃうよね」

父「()ずかしくて海外行けないね」

子「元々(もともと)飛行機(こわ)いから行かないくせに」

父「例え話!」

子「(さわ)いでるところは、コロナでも中止にしなかったってことだよね」

父「オンラインで開催(かいさい)したりね。ちょっと味気ないね」

子「目立てないね」

父「勝手に(さわ)いでYouTubeで流せばいいんじゃない」

子「炎上(えんじょう)して目立てるね」

父「すごいユーチューバーはたくさんいるから、酒飲んで(さわ)いでいるだけじゃ見向きもされないよ」

子「僕が成人する時も、まだ成人式ってあるのかな」

父「あると思うけどねぇ。静かに祝えばいいよね」

子「ベルマーレの選手と一緒(いっしょ)にスタジアムで祝いたいな」

父「それ、十分目立ちたがっているよ」

お父さんのひとりごと

毎年、()れる成人式として(むね)が悪くなる報道がなされます。いつからこんなことになってしまったのでしょうか。全国放送で取り上げることも、むしろ各地に拡散(かくさん)する要因(よういん)になっていると感じます。暴走族(ぼうそうぞく)減少(げんしょう)一途(いっと)をたどっています。私は()れる成人式も同じ道をたどると思っていますが、海外でも報道(ほうどう)されてしまっており、自然(げん)を待っていられません。

()れている者達のほとんどが男性のようですが、大人や警察(けいさつ)に怒られるより、女性や後輩(こうはい)から軽蔑(けいべつ)されることの方が、より()き目があると思います。息子は「カッコ悪い」「(こわ)い」と言っていました。これから成人する世代がより(きび)しい目を向けることで、減少(げんしょう)が早まればいいなと願います。