この結果を見る限りでは膵臓での値はクレストールⓇが最も高くなり、リピトールⓇだけが特に膵臓に分布しやすいとはいえず、膵臓への直接的な作用は少ないのかもしれません。分布量の大きな元々の標的臓器である肝臓を介した血糖上昇作用なのかもしれません。

⑤まとめ

糖尿病が脂質異常症のリスクを上げるから、脂質異常症に利用されるスタチン系薬剤が一見HbA1cを上げるように見えるのか? 本当にスタチン系薬が血糖値を上げる作用を持っているのか? また、血糖値を上げるとして、なぜ、スタチン系薬間で違いが見られるのか? 

まだまだ解明されるべき点が多いようです。私たちは、このような現象が現実にあるという事実を認識して、何か患者さんに起こった際には対応できるようしておく必要があると思います。知っておくことが大切なのです。

※本記事は、2021年7月刊行の書籍『知って納得! 薬のおはなし』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。