雑草管理に関連するさまざまな事柄について

1.遺伝子組換え作物と不耕起栽培

幸か不幸か日本では、遺伝子組換え作物と不耕起栽培が普及する可能性はほとんどありません。それは何故でしょうか。

元をたどれば日本の国土の狭さに行き着きます。

日本では、たとえ新潟平野のような稲作地帯であっても、コメだけでなくエダマメも栽培されており、いろんな作物が同じ地域で栽培されているのが普通です。

それに引き換え、米国ではダイズ、トウモロコシ、コムギ、ワタがそれぞれ別々の地域で大規模に栽培されています。

例えば米国のダイズとトウモロコシの栽培面積はそれぞれ三四〇〇万ヘクタールと三七〇〇万ヘクタールであり、日本の国土面積が三七八〇万ヘクタールであることを考えると、その広大さが良く理解できます。

そして日本の平均経営面積が二・二ヘクタールであるの対して米国、EUおよび豪州の平均経営面積は一八〇ヘクタール、一七ヘクタールおよび三〇〇〇ヘクタールです。

同じ種類の遺伝子組換え作物を大規模に栽培し、畑の上から飛行機で除草剤を撒けば、組換え作物以外の全ての雑草を防除することができますし、たとえ除草剤が圃場の外に揮散しても、同じ作物しか植わってませんから他の作物に対する薬害の心配も要りません。

しかし、畑が小さく、なおかつ同じ地域に多品目が栽培されている日本では、遺伝子組換え作物だけに除草剤を散布することは技術的に困難ですし、近接する畑で栽培されている他の作物への薬害も問題になります。

このことから遺伝子組換え作物は経営規模の大きな米国やオーストラリアなどに合致した効率性を重視した栽培方法であり、日本で普及しないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。