小さい例かもしれませんが、お昼の過ごし方も現場と本部で全然違います。現場だと食堂でかきこむように食べて、慌ただしく外回りに行きます。食事の時間は精々十五分程度、皆で一緒に和気藹々と食べることなんてありません。時間がない人は営業周りをしている途中にコンビニで買い、車内で食べることになります。

一方の本部。地下と最上階に食堂がありメニューも豊富です。現場は出された物を食べるだけなのに、本部に来ると「あれもいいけど、これもいい。どうしよう。迷っちゃう」となるのです。カロリーまで表示されていて、気になる人にはヘルシーメニュー何ていう物もあります。

現場と違い、同じ職場の人と一緒に食べにいくことになるのですが、ここでも上司の存在がお昼の味を左右します。

お昼時間になると混み始めて席を見つけるのに苦労しますので、ある上司は食堂が開く時間と同時に「メシ、食いにいくぞ」と言うのです。お腹が空くような時間ではないのですが、周りに合わせてついていきます。先輩が言ってました。

「慣れて来ると不思議と腹が減って来る。体内時計を上司に支配されているようで怖い」

そんな早い時間にお昼にいっても、当然おいしくありません。何となくおいしそうに見えるメニューであってもまずく感じるのです。食事中は上司がどうでもいい雑談をするばかりで、周りは黙って聞いています。

「早く終わらないかなぁ」

周りもきっとそう思っているはずです。気が利く上司は一人で食べます。食堂が閉まる頃、孤独に食事を済ませる上司を何度か目撃しましたが、その人はきっと部下思いの人。部下たちが気の合う同僚と食事ができるよう配慮しているのです。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『これでいいのかサラリーマン』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。