このシートの用紙はB4、講義内容のメモは裏面に書くようにしている。

図表1・図表2は、2016年度の事前講義を通じて出願して合格したCさんのシートで、図表1は初回、図表2は2回目に受講したものである。

こういう形式の講義は初体験だろうから、図表1ではデータの加工はある程度できていてもグラフ作成まで時間が回らなかった。これでは《マズい!》とモチベーションが上がったのだろう。図表2では手際よくデータを加工し、時間内にグラフ作成ができていた。それと同時に、誤字は見受けられたが、まとめの記述内容も図表1と比べて図表2ではわずかだが質が良くなった。

一方、図表3・図表4は2015年度の事前講義を経験しながら出願しなかったDさんのシートである。

このうち図表3は初回、図表4は2回目に受講したものである。これを見ると、図表3ではデータ加工とグラフ作成はそれなりにできているが、文章で内容を十分まとめられていなかった。書く時間が少なかったとはいえ、講義内容のまとめで《~がよく分かりました》としか書けないというのは、講義内容を分からないなりに積極的に聞こうとする姿勢が欠けている証かもしれない。

あるいは、内容について行けず《〜がよく分かりました》としか書きようがない証かもしれない。しかも、文字の形や大きさが1つ1つバラバラで、読むのに苦慮するものだった。

それが図表4になるとデータ加工およびグラフ作成が首尾よくいかず、まとめの文章も改善が見られなかった。初回の受講経験で《ムズイ……》とモチベーションが下がってしまったのかもしれない。

中堅私学のAO入試を出願しようと考える生徒の所属高校は、進学校ほど勉強のトレーニングを積んでいる訳ではない。

その差は、いわゆる入学試験で測定される学力の違いとして認識されるのはもちろんだが、少し高めのハードルにモチベーションが削がれたり、ある事柄を少し長い文章でまとめるとか、その際の漢字・文法を正確に操れるとか、ちょっとした作業をていねいに行うとか、メモをコンパクトにとるアイデアを思いつくといった習慣性(・・・)が決め手となる項目についても、スキルのレベル差として存在することが図表1から図表4の比較を通じて見て取れる。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『学生の「やる気」の見分け方』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。