大人と子どもは不平等

学校からは夏休みの宿題がいくつも出されたようだ。息子は、他のものはともかく、日記だけは毎日コツコツ取り組んでいる。でも、こんな愚痴もこぼれる。

子「学校に出す日記、お母さんが勝手に見るんだよね」

父「学校への提出物だから、親がチェックしてもいいじゃん」

子「お母さんは大人の物(その時は手帳だったらしい)を勝手に見るなって言ってたよ。不平等だ」

父「大人と子どもは平等じゃないでしょ」

子「子どもにも権利があるって書いてあった」

父「権利があることと平等とはちょっと違う。身の安全を守ってもらうとか、学校に通わせてもらうとか、ちゃんと栄養をとらせて、ちゃんとした服を着させてもらうとか、そういう権利はあると思う。じゃあ子どもにも選挙行かせろとか、酒飲ませろとか、運転させろとか言うの?」

子「言わない」

父「大人は自由に見えるかも知れないけど、その自由の裏にはたくさんの責任や義務が貼り付いているんだよ。お父さんから見たらおまえの方が自由だ」

子「何となく分かったけど……早く大人になって好き勝手やりたい」

父「他人に迷惑を掛けない範囲で、どうぞご自由に」

お父さんのひとりごと

子どもにも権利があるのか、あるとしたらどこまで認められるのか。人権とは何か。生まれながらの天賦の人権など存在するのだろうか。福沢諭吉は「権理」と訳していたそうです。権利を主張する姿には、まさに「理」にかなっていない場合も散見されます。

目に見えない「権利」という概念について、お子さんと侃々諤々の議論をしてはいかがでしょうか。きっと、おもちゃを買ってもらうことが権利か否かという話になることでしょう(笑)。