アインシュタインの謝罪

魔性の空港・フランクフルト

JAL(AVA便)が面白い企画を立てたので我々夫婦はそれに乗ってドイツへ行くことにした。前半はロマンチック街道を通り抜けるパック旅行で、後半は欧州四大都市の好きな所で過ごせるセミフリー旅行だ。私は問題なく後半にベルリンを選んだ。これで二度目のドイツ国内旅行になるのである。

成田発の便は、フランクフルトへ八月十日午後六時に着いたが、乗り換え空港として有名であるだけに、長大な建物を入国審査にたどり着くのは、まるで迷路のようであり、ひとえにこれは指示案内板が煩雑すぎてEXITの文字がよく判らず、やっと入国できてAVAのガイドを見つけたときはホッとした。しかし、四組全員が揃うのに三十分もかかった。この空港での入国を初めて経験してみて「魔性の空港」と気がついた。だから皆様も気をつけてください。

バスでこの都市(人口六〇万)をよく見ようと目を凝らしたが、夕闇が迫りよく見えぬうちにエクセシオールというちょっと名前負けのするホテルに着いた。フランクフルトはドイツ一の商業金融都市で近代的な様相を呈している。

歴史的にはゲーテの誕生地として有名である。しかし、ライン河流域に共通する水質汚染に悩まされている。空港で仕入れたペットボトルを大事に抱えてホテルに持ち込んだ。ボトルを買うときドイツではガス入りが多いので、ノンガスと付け加えること。

成田から時差ぼけ防止法として一睡もしてなかったので、夜の街を散策することもなく、すぐ眠った。二日目は早く起きて出発した。JALのバスは、私にとって初めてのアウトバーンを疾走した。この道路は六車線で普通車の時速は無制限であり、バスは時速一二〇キロ制限で目一杯走る。ネッカー河流域の道路に入り、やがてハイデルベルクの街に着いた。