現場と本部の違い

現場から本部に異動になった時、支店長に言われました。

「現場と本部は時間の流れが全然違うからな」

その時は「ふーん、そういうもんかなぁ」と漠然としていましたが、氷解しました。現場は顧客がいるので期限があります。期限までに融資をしないと迷惑をかけてしまうので当然です。場合によっては倒産してしまうでしょう。

一方の本部。期限なんてあってないようなものです。現場感覚でいると信じられませんが、本部にお願いしてもスルーされることがあります。無視されるのです。期限を決めても、簡単に後ろ倒しにできるから当然です。

「その仕事、期限内にやらないと死ぬ?」

本部内にいると、よく聞かれる質問です。死ぬっていうのは大体二通りしかなく、上司に迷惑がかかる、又は自分の給与や賞与に影響がある、のどちらかです。死なない業務に期限なんてないのです。

期限を理由に資料を早急に回付するよう上司に依頼したことがありますが、「それ、リスケできるだろ。その資料の本質、理解している? 考え直してこい」なんて言われて、いつまでも資料を突き返されるパワハラなんてありました。

期初、自分の目標に「期限を守る」なんて設定すると、上司の上司から「お前、期限なんて守るの当たり前だろ。新人じゃないんだから、もうちょっとマシな目標立てろよ」って言われてションボリしたことあります。「そーじゃないんだけどなー、期限を守らせてくれない人がお前の下にいるんだよ。しっかり管理してくれよー」となるのです。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『これでいいのかサラリーマン』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。