徐々に行き詰まり始めた省エネ法

さて、こうした直接・間接的な規制によりエネルギーの使用の合理化を図ることを目的とした省エネ法が、その制定以来、わが国の省エネルギー・エネルギー効率化にどのように役立ってきたのでしょうか。

もちろん、1979年の制定後すでに40年以上が経過しており、実際にその間には社会的な環境も大きく変化しており、その変化に応じて中身の措置類もかなり変わってきておりますが、総じて評価すると、前半の20年間は十二分に機能し、わが国の省エネルギー・エネルギー効率化をかなり大幅に押し上げてきました。

一方、現在まで続く後半の20年間は、かなり行き詰まり感が出てきており、制度の中身自体は精緻化・複雑化しつつも、規制の対象となっているエネルギー使用者にとって受け身的な「やらされ感満載」になっているのではないでしょうか。

もちろん、トップランナー制度など、導入来、メーカーの製造商品における省エネルギー・エネルギー効率化には十分な効力を発揮しているものもありますが、特に、直接規制の対象である事業者においては、形骸化した定期報告書・中長期計画書の提出や複雑化したベンチマーク制度(後ほど詳述)への対応などには、それらへの報告対応作業だけに終始して、本来の省エネルギー・エネルギー効率化への前向きな対応にはつながっていないのではないでしょうか。