今度は居酒屋に移動し、たくさん注文した。

「食べられるかな?」

「大丈夫!」

たくさん食べて、飲んで、笑って、笑って楽しかった。

帰る前にトイレに行く時、

「今晩は」

振り返ると、絵画教室の男性……今井さんだった。

「どうしたのですか?」

「月一度、みんなで来ているのです」

「私は友人たちと買い物をして夕飯を食べて帰るところです。それでは」

トイレに行った。本当によく会うな。六回目、何だろう不思議。本当に縁があるのかな、いやいや男性は嫌だ。

今週金曜日は孫達の予定が有って泊まれないと連絡があった。寂しいようなほっとしたような変な気持ち。

三番目の姉から電話。

「何しているの? 明日は、孫ちゃん達お泊まりなの」

「今週は来ないからフリーだよ」

「姉妹会予定していいかしら?お買い物しておしゃべり会しよう」

「OK」

金曜日いつものカフェで待ち合わせ。毎週会っているのに姉たちは「久しぶり」と入ってくる。

毎週会っているのに、それがおかしい。一時間でカフェを出て買い物。

今日は下着が欲しいらしく下着コーナーへ。

「かわいい色!」

「素敵」と言っているパンツは絶対に入らないサイズだ。

「あら、少し小さいかしら」爆笑。乙女のように、ケラケラ笑っている。

結局ババシャツコーナーへ。それから一時間近くいて、今度はブラウスが欲しいそうだ。試着したり、批評したりワイワイ、ガヤガヤとても楽しんだ。

「疲れたしお腹も空いてきたから食事に行こうよ」と長女。

「ここの八階に美味しいレストランがあるから、そこに行きましょう」

レストランに入った。何と! 又、あの男性、いや、今井さんがいる。

四人で食事をしている様子。見ないふりをして案内された席へ。

残念なことに、今井さんの近くの席に案内されてしまった。知らんふりをして席に座った。すると今井さんが挨拶に来た。

「あッ!」

「本当によく会いますね。これで七回目ですね。すごいですね」と言って席に戻った。本当にこんな偶然ってあるのかびっくりした。

姉達、興味津々。

「どなた?」

「絵画教室に通っている方。よく偶然に会うの。今日で七回目だよ」

「縁があるんじゃないの?」

「何言っているの。しばらく、男性はいいの」