「理由がなんだっていいじゃない、昇格できたんだから」って意見、危険だと思います。

お金や権限と引き換えに、キャリアを犠牲にする覚悟はありますか。給料や権限は増えても、会社に残ることになりますのでキャリアは固定されていきます。やりたい仕事から遠ざかる可能性が高いです。多少給与が上がって偉くなっても、楽しくも興味もない仕事を続けられますか?

私はポテンシャルと聞いた時、勘違いしてしまいました。「ポテンシャルはシステム以外の業務でも発揮できる総合的な潜在力」と思ったのです。だから、この先異なる部署に異動し、システムと違うキャリアが構築できるかもと期待してしまったのです。

実は「結果が出ていない今のシステムの仕事で今後成果を出せるであろう潜在力」だったのです。システムという業務に固定された上でのポテンシャルを見られたのでした。こんなの気付けるはずがありません。

どこの部署にいっても上司は「君にはいろいろな業務を体験できる機会がある。但し、異なる業務を体験したいなら、ここでしっかり結果を出さないといけない」と言うのです。本当に、どこの部署の上司もマニュアルがあるかの如く一様に同じことを言って期待させるのです。

しかし、仮にシステムで結果を出したら、システム以外の仕事を任せてもらえるのでしょうか。そんなことないと思います。システムの仕事でもっと磨かせようとするはずです。わざわざ畑違いの仕事をさせて、一から再度鍛え直すような非効率なことはしないと思います。

もし、この見極めを昇格した時の自分ができていたのなら、昇格しても転職していたと思います。収入や権限が増えても、やりたくない仕事はやりたくないです。我儘な意見でしょうか。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『これでいいのかサラリーマン』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。