(3)航行方法の光圧式の革新的手法

ここで課題になるのが推進力の光圧だ。光は波である。小学生のころ小石を2個水面に投げ込むと二つの波紋が広がり、互いに衝突すると、少し波が高くなった気がした経験がある。これを思い出して波を集める方法があれば、解決できるような気がする。

地球位置の光圧は完全反射で9.2μPaと極小だ。帆の大きさを百km四方で設計し、仮に地球に届く光の千倍がその帆一面に集まれば一万トン重がかかり、帆を含めた船の総質量が千万トンで、0.001Gの加速が作れる。これなら約十年間の加速で秒速3千kmに到達できる。光を集める技術さえあれば、太陽系を離れても発電ができ、エネルギーの心配もなく長期の航行ができるようになるだろう。

きっと恒星間航行宇宙船は、帆を青白く光りながら隣のケンタウリ星系に向けて進んでいくのではないだろうか。波を集めるのは、電気の空間送電であるマイクロ波送電にも生かされるかもしれない。マイクロ波送電は、距離が長くなると波が拡散するので極端に効率が落ちる。これも波を集める技術が必要となる。波を集めるとは、いったいどういう方法なのか?

それは、マイクロ波や光と同じ周波数の電波を、受ける側で同期させた状態(シンクロ波)で送信することかと思う。サーフィンのようにマイクロ波や光を波乗りさせて集めるのだ。マイクロ波は数GHz、光は60万GHzなので、その周波数の電波を作り、同期させて送信できれば可能かと思う。

集光させない光圧式の航行は、研究機関ですでに実験済なので、恒星間航行の実現は可能な気がする。壮大な話ではあるが、人類が10億年生きるには、資源の獲得のための恒星間航行宇宙船が必要になる。

短距離での往復運転の確認実験もできればなおいいだろう。光の周波数は、60万GHzという高周波なので、通常の電波では作り出せない。ストロンチウムSr90を使えば作り出せると思う。放射線と波の研究者が協力すれば作り出せると思う。

ストロンチウムSr90の放射線の周波数は20万GHz程度で、光の周波数の1/3、マイクロ波のように同じ周波数で同期できないため工夫が必要である。光やマイクロ波は同じ周波数でなくても集められる。

周波数の整数分の一で、きっちり同期をかければ部分的に光が集められるのである。図27の16方位送信機を右回りで1番、2番、**、16番に設定する。送信機1、5、9、13番がA波

送信機2、6、10、14番がB波

送信機3、7、11、15番がC波

送信機4、8、12、16番がD波

送信波を光の周波数の1/4の15万GHzで作り、かつA、B、C、D波のように光の1周期分の位相を変えて作り出せれば、光は100%集まるはずだ。

※本記事は、2021年7月刊行の書籍『新地球論―新宇宙論―新神論』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。