「神が才能をくださるのは使うためだ」の夢

フォールは、ライトブルーのビニルシートがかかったテーブルを見ていました。その場面と色合いは、とてもはっきりしていました。その上には、たくさんの綺麗な切り花が散らばっていました。彼はゆっくりとそのテーブルに近寄り、その美しい切り花を眺めていましたが、その花を、綺麗な花瓶に入れて部屋を飾るのかと思いきや、テーブルにかかっていた大きなライトブルーのビニルシートで包むようにして、テーブルから引きはがし、床に落としたのです。

そして、花いっぱいのビニルシートを、まるで重い荷物のように、後ろに引きずって部屋を歩き始めました。

それはとても異様で、不自然な、ヘンな光景でした。いつの間にか、フォールは完全に「目覚めた」状態に戻っていました。「あれは何だったんだろう? ほんの2~3分、いや2~3秒かもしれない……なんだって、あんな綺麗な花を、それもシートにくるんで床をまるで掃くみたいに引きずっていたんだろう? どうして、綺麗な花を部屋を飾り、人々を喜ばせるために使わなかったんだろう? なんともったいないことを……」と彼は思っていました。

すると突然、脳裏に明らかな変化の兆しが訪れました……あの花は、神さまからのギフトだ……あぁ、そうだ!……彼は、神さまからのギフトである自分の才能を使ってないことを、十分に生かしてないことを示されたのでした。

見事な花がありながら、その美しさを味わうこともせず、お荷物のように感じていたなんて……「これがぼくのやっていること? 本当に? ぼくは自分の持っている才能を、疑念と恐れと躊躇いで包み隠しているんだろうか? 使わずに、味わいもせずに、包んでしまって、引きずりまわしているんだろうか? このことはもっと良く考えなくちゃ。そして、神さまは使うために才能をくださっているということを、肝に銘じなくちゃ」と彼は思いました。

短くて飾り気もないが、示唆に富むこの光景は、彼の脳裏に深く刻み込まれました。それは、単に言葉で言われたら気にも留めなかったかもしれない戒めでしたが、こんなふうに見せられたら、その本質を受け入れざるを得ないような真実だったのです。

「いずれにしても、神さまが才能をくださるのは、包み隠して持ち歩くためではなく、活用するためだ。このことを忘れてはいけない」と彼は思いました。

朝が来て、昼が去り、再び夜が近づいてきました。フォールにとって、それは不安と憧れ、興奮と期待の入り混じった貴重な時間でした。今夜は何が起こるのでしょう? どの天使が、どんな夢が訪れるのでしょうか? 

すると突然、天使エマニュエルの響く声が彼の思考を遮りました。「フォールと前に至高の神が言われたことを覚えているかい? 顕現に必要な二つのことだが」

「わぁ、嬉しい、エムさまですよね。もちろん覚え、ちょっています。顕現の二つの秘訣は信頼集中だとおっしゃいました。不思議な、びっくりするような二つの夢で、その力を見せられたんですから、忘れるはずがありません」

「それなら、なおさらだよ。今こそ、お前の才能を生かす時じゃないかね」と天使エムは言って、姿を消しました。その夜、まさに、輝くような天使のエネルギーが、訪れたのです。