そんな健太郎の話を聴いた妻は、もちろんすぐに受け入れることはできません。何のツテもないのに大丈夫なの? 収入はどうするの? 矢継ぎ早に質問をあびせかけます。健太郎は、自分でも一番気になっていたことを問いかけられ、返す言葉もありません。ぎくしゃくした2人は、気まずい雰囲気のまましばらく口をきくことができませんでした。

その後数週間が経ちます。覚悟を決めたのは妻の方でした。初めて健太郎から強い意思を聞いた妻は、考え抜いた末、思い直したのです。当分、私が稼ぐから期間を決めてやってみたら? 応援するから―そう健太郎に伝えたのです。

え? 健太郎は信じられませんでした。生まれて初めて自分で自分の道を選択したこと。そして、妻が受け入れてくれたこと。そのことに心も身体も震えていたのです。

その後の健太郎の道は、決して平たんなものではありませんでした。何しろ未知の世界に飛び込むのですから。学ぶべきこと、人に助けを求めること、やることはたくさんありました。けれども、健太郎はその後、たくさんの人に出逢い、情報をもらい、多くのことを吸収していったのです。

自分の真実に沿って決断し、心をオープンにしていれば、必要なものに出逢える。そう健太郎は感じていました。新しい道に進むため、お世話になった人々や、兄や姉にも決意を伝えました。中には健太郎を心配して決断に反対する人もいましたが、ブレない健太郎に、最後はみんなエールを送ってくれたのです。

オープンさを維持し、決断する。このツイン・エネルギーは、私たちが本当に大切な決断をする時に、勇気を与えてくれます。腹をくくるとよく言いますが、その強さを私たちが取り戻した時、このツイン・エネルギーは、新たなる扉を開き、必要な情報や助けをもたらしてくれます。また、心をオープンにして情報を積極的に取り入れることで、より最適な決断ができることも示しています。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『ツイン・エネルギー™ 静と動のバランスを整える16の考え方』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。