子どもとの愛着形成につながる体験となったC・Aさん

C・Aさんは、母親との関係がプライベート出産の選択に影響していました。そして助産師の立会いによる第1子の65時間におよんだ自宅出産は、「良いお産をする」と意気込み、「完璧主義になりすぎてリラックスできていなかった」と振り返っています。

第2子、第3子をプライベート出産し、第3子の出産を通して、出産とは自分が産むものではなく、子どもが生まれてくるものだとわかり、かつ、出産は母子の愛着形成に関係することを確信し、「自分の母親との関係の不自然さの理由がわかった」と言います。第3子の出産体験をこのように語っています。

「長女も次女も、本当に自分が産もう、産もうってしてたんですね。私が産むんだ、産まなくちゃ、産もう産もうとしてたの。でもだんだんと、赤ちゃんは自分で自然に生まれてくるんだっていうことがすごく体感的にわかってきて。(略)私は一切もう何もしないって、邪魔をしないって決めたんですね」

「途中からかな。声が聞こえてきたんですよね。(略)"ママ"って言ってたかな。"お母さん"っつったかな。"何もしなくていいよ"っていう声が聞こえてきたんですね。何も、産もうとしなくてもいいって。(略)任せてみたいな感じで。で、聞こえてきて、呼吸とかのことも指示してくれるような感じなんですね」

「母と私との関係が、相いれないものがすごく、今でもそれはあるんです。(略)(でも)子どもたちには、本当に無償の愛が、子育てしながら止めようもなく溢れてくるんです。もう可愛くて可愛くてしょうがない……」

母子関係が人生のキーワードであったC・Aさんは、子どもに誘導され出産した体験によって、自分と娘の愛着形成過程を体感しました。逆に、母親との関係は、やはり、母親の誕生体験(母親が生まれたときの体験)と出産体験(母親が出産したときの体験)によって、自分との愛着をうまく築けなかったことが影響していると確信したようです。

ところが、C・Aさんの第3子のこの出産は出血が多く、代替療法の一つであるホメオパシーを学んでいたことから、自己の判断で「ホメオパシーを飲んで止血した」と言います。専門家の立会いの必要性について、「そういうこともあるのでね、できたらば助産師さんとか助産院とか、見守っていただける中で、信頼がある中で産めるのが良いなと私は思いますよね」と話していました。