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同居でも「孤独死」増加

新聞に、こんなタイトルの記事がありました。同居のパートナーが認知症だとか、死亡者が引きこもりなどで、同居していても「孤独死」するケースが増えているとか。なんだか他人事とは思えません。

私がまだ夫と寝室が同じだったころ、私もよく思ったものです。「この人はきっと、私が横で死んでいても気がつかないだろうな」と。

家族の微妙な変化にめっぽう疎い人でしたし、横で寝ている人間が息をしているかとか苦しんでいるかとか、そんなことはきっと彼には気に留めるに値しない出来事。そしてもし彼が先に認知症などになれば、もっとそのリスクは増えるわけで、そうなればもう一人で暮らしているのと何ら変わりない状況です。しかも家庭内別居状態のときにもし彼が部屋で死んでいたとしても、きっと私は数時間、いや数日気づかないかもしれないし、その逆もアリ。

この新聞記事、もしや以前の私たちと同じ状況の夫婦が増えているってことなのではないかなんて妙な想像をしたりします。

以前の私たちと同じような状況で、今後別れないという選択をし、老後を二人で乗り切ろうと思っている方もいらっしゃることと思います。たぶんですが、旦那さんと交流がないということをご近所や親せきに話している方は少ないのではないでしょうか。話してもわかってもらえないという側面もあり、だんだんと誰にも話さなくなる傾向があると私自身の経験からも思います。

だからこそ、もしこの先二人だけになり、片方が認知症や病気になった場合、誰にも助けてもらえなくて孤立してしまうケースが増えていくのではないかと心配します。そうなる前に、誰か信頼できる方にいまの状況を知っておいてもらってください。恥ずかしいとか、カッコ悪いとか、世間体だとか、そんなことも気になるでしょうが、誰か一人でもいまの状況をわかってくれている人がいれば、この先何かあったときに頼れます。

一見普通の老夫婦二人ですが、普通の仲の良い老夫婦ではなく、相手がまったく頼れないほぼ「他人」同然の人であることを、どうか誰かに知っておいてもらってください。下手に夫婦二人で暮らしていると、周りも二人だから安心だと思うだろうし、手も出しにくいという側面もあると思います。「同居でも孤独死」は、決して他人事ではない身近な問題です。