富弘美術館はシャボン玉 平成十八年十月二十六日掲載

念願の新・富弘美術館に行って来ました。季節を彩る木々、山の緑とそれを鏡のように映し出す草木湖の景色が絶妙に調和し、それに溶け込むように美術館がありました。

中に入るとその創造的な造りにびっくりしました。

まるで大小のシャボン玉がくっついたように円形の展示室があり、順路を間違えて迷い込んだと思ったらそこは小展示室でした。展示室の一つ一つが希望や勇気を与えてくれるシャボン玉のようでした。

富弘さんは、平気で踏みつけていた道端の草花の素晴らしさを、絶望の淵からはい上がる過程で知りました。私も運命の悪戯で理科教師を目指す過程で、その奥深さに気づきました。

精巧な花のつくり、生殖のための巧妙な知恵、名前の由来の面白さと、知れば知るほど植物の世界の無限の広がりを感じました。

既に五百万人を超える人が訪れた、富弘美術館の魅力は一体何なのでしょうか。富弘さんがスーパーマンではなく、自分と同じ弱い人間であったということでしょうか。

シャボン玉が綺麗な虹色に輝き、やがてはかなく消えていく。それは人生そのもののようです。

はかないからこそ、今を精一杯生きることの大切さを、富弘さんは私達に教えてくれているようです。

* 富弘さんは大けがをして、道端の草花の素晴らしさを知りました。年を取るとだんだんと植物に興味を持ってきます。その奥深さに若い頃から関心が持てれば、もっともっと世界が豊かになるのではないでしょうか。

ことばの変漢ミスと勘違い 平成十九年一月十三日掲載

漢字能力検定協会が面白い変換ミスを募集する「変漢ミス」コンテストの結果を発表しました。

年間変漢賞一位は、会議の資料を焦ってメールしたら「遅れてすいません。回答案です」が「遅れてすいません。怪盗アンデス」というミス変換でした。

他に「話に困った司会者」が「歯無しに困った歯科医者」、ゴルフで「ラフにハマってしまって」が「裸婦にハマってしまって」、「リスト表を送ります」が「リスとヒョウを送ります」などがありました。

前年の一位は「今年から海外に住み始めました」が「今年から貝が胃に棲み始めました」でした。

日常生活でも勘違いや、思い違いがよくあります。「予断を許さない」は「油断を許さない」、「的を射る」は「的を得る」などです。

また桃太郎で、お爺さんが山に芝刈りに行くことに何の疑問もありませんでした。大昔にお爺さんがゴルフ場を経営していたのでしょうか。

正しくは「柴刈り」で【たきぎに適した雑木(の小枝)を探しに行くこと】です。燃やすための雑木の小枝のことを「柴」と言うのです。

年末に友人にメールで「飲み過ぎに注意しろよ」と打ったつもりが「飲み過ぎに注意四郎よ」になって思わず大笑いでした。

* 最近のパソコンでは、誤変換の確率が減って変漢ミスコンテストも無くなってしまいました。ある意味寂しいことです。また、年末にメールした友は十月に他界した親友です。

福田総理の脱カタカナ語 平成二十年一月三十日掲載

相変わらず意味不明のカタカナ語が氾濫し、最近では「空気がよめない」をKYと言ったり、SM3(海上迎撃ミサイル)という略語にはドキッとしました。

カタカナ語に加え略語の氾濫も目立ちます。

「安倍総理にはカタカナ語が多く、ピンとこなかった」と言う指摘に対し、福田総理が就任後初の所信表明演説で、「脱カタカナ語」で低姿勢演説を行ったという記事を見ました。

安倍前首相の所信表明演説では「戦後レジーム」「カントリー・アイデンティティー」など百九のカタカナ語を用いましたが、福田首相が使ったのはわずか二十六語。そのうち地域名や一般的に用いられるカタカナ語が二十語以上でした。

総裁選で掲げた「ストック型の社会」も「持続可能社会」と改め、カタカナ語の撲滅に腐心したという内容でした。

今の福田内閣で、難病のムコ多糖症患者を救済し、年金や薬害肝炎などの難問に立ち向かう舛添厚生労働大臣が正義の味方に見えます。私利私欲に溺れてきた過去の政治家や官僚に比べ、遙かに期待できる福田内閣だと思います。

国民に分かりやすい日本語で細やかな気遣いのできる福田総理だからこそ、平成二十年という節目の年を明るくしてくれる期待を持ちます。

* この頃の桝添さんは人気があったのですが、都知事になって化けの皮がはがれてしまいました。いったい誰を信じたらいいのでしょうか。