エッセイ松谷美善 2022年1月15日

「老いては子に従え」幸せな老後への近道は…親子の歩み寄り

不完全な親子【第12回】

前著『涙のち晴れ母と過ごした19年間の介護暮らし』から5年、

介護の末に両親を看取った著者が明かす両親への複雑な思い、

そこから導き出される自身の人生の終い方とは？

親子関係に悩むすべての人に贈る。

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※本記事は、松谷美善氏の書籍『不完全な親子』（幻冬舎ルネッサンス新社）より、一部抜粋・編集したものです。

「巻き戻せない時間」

若かったころ

わけもなく親がウザかった

なにか命令されるのがどうしようもなく嫌だった

大人になって思います

ウザいと思うのは

それだけ親のことを思っていたから

いわれるとおりにできない自分が悔しかった

不器用な母娘関係だったね

もう少し優しくしておけばよかった

過ぎた時間は巻き戻せないけど

一緒に銀ブラしたかったね

お母さん

独りと孤独

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著者紹介

松谷美善

1959年9月、東京都港区で出生。
80年、國學院大學栃木短期大学国文学科卒業。
87年に結婚。95年より、難病を患う母の介護を始め、現在に至る。
著書に『涙のち晴れ　母と過ごした19年間の介護暮らし』（2014年、小社刊）、
『涙のち晴れ　母と過ごした19年間の介護暮らし（文庫版）』（2018年、小社刊）。