第1章  キアテック心体論

1 気のアートテクニック=キアテック

気の世界

気はマクロの世界と同様でありながら、独自のミクロの世界を作り上げています。自分が成し得ると思えば、思ったことが実現可能になるミクロという素粒子の世界です。気を物理学でお話しすると三つの要素になります。

一つ目の「非局所性の原理」とは、大気の空間のどこにでも気が存在しているということであり、万物は空間の波動であらゆる場所に非局所的に同時に善悪の種は存在する(一即一切・一切即一)という意味です。

二つ目の「波動の収束」とは、人の見るという行為で個の物は瞬時に姿形を成して善悪の種はまとまる(一事如意)という意味になります。

三つ目の「観測者効果」とは、人の意識が物の存在態を変化させる(善悪関係なく、心が動く意識の対象が物質化する)という引き寄せの法則の意味です。

気の治療法に当てはめて申しますと、独自の五指ソフトリング検査方法や気のエネルギーを集中圧縮して収束放射という行為により体の歪みを正常にして、重心を180度移動させる治療がこれに当たります。

不確定性は素粒子の原点です。ランダム(無作為・適当)な選択は危機的状況のリスクを回避し、生き延びるための方法となります。賭け事で勝負をするとき一つだけに賭けるのではなく、複数に賭けたほうがリスクは少ないということです。たとえば治療技術向上への閃きも試すことが多いほど、より確実な効率の良い結果につながるのです。

素粒子のさらなる小さな世界ではスタートとゴールは決まっていると言われています。その過程での人間の自由意志による腹腔から湧いてくる気付きを信じて得た決めごとは、よりゴール(目標)に近づく方法となります。

気の不足

普段の日常生活をしていても、気は目減りしていきます。特に神経質な方や心配性の方は気が早く目減りし、逆に物事を考え過ぎず気にしない方は、気は目減りしにくいと言えます。

部分的な気の不足は1ヵ所だけでなく何ヵ所もある場合が多く、気を注入することで予防姿勢に体勢が動き、新たに既往症(過去にかかったことのある病気や外傷など)の症状が現れやすくなりますが、圧縮した気を体内に注入する治療を重ねることにより治癒につながるのです。

気は無限の宇宙のフリーエネルギー(たとえば一つの説明として、ドラム缶内の大気の圧力を変化させ真空になったと同時に瞬時に潰れること)です。気が不足すると肉体的には各々さまざまな症状が体に現れ、精神的には気力不足になり、やる気や元気が出ません。気の枯渇は体の脱力感でも分かります。

私たちが生きるということは気を遣うことであり、気を遣い過ぎると気は不足してしまいます。肉体と精神は鍛錬すれば強くなりますが、精神的ストレスなどのダメージによる気の不足はさまざまな症状を誘発します。症状の原因は心と体にかかるストレスや、気の遣い過ぎによる目減りした部分的な気の不足が、最初は心身にあります。

その後、慢性疾患、神経と血流障害、精神的ストレスやショックを起こすのです。また、気の不足が原因となって事故などを起こし怪我をすることもあります。

気の不足があると体が歪み、歪んだ体の細胞と精神に隙間ができて、その隙間に悪い波動の邪気が入り込みます。自分自身の精神をコントロールできない状態になるのは、体と精神のバランスが悪いゆえに、歪んだ体と精神が乖離(かいり)するからです。その乖離した心の狭間に邪気が入り込むのです。

「心に魔が差す」という言葉は邪気(魔の誘惑)のことをいいます。

女性の患者さまの体験談です。駅のプラットホームで電車を待っている際に、急に得体の知れない力で体が引っ張られ、電車に轢(ひ)かれそうになりました。その瞬間にふと我に返り事故に遭わずに済んだことがあったそうです。

この方はその頃、子育てなどの悩みを抱えて疲労困憊されていたということですから、体が精神の頑張りに追い付けず体が精神から離れ、そのわずかな精神と体のずれの狭間に邪気が入り込んだのでしょう。

(後日、同じ場所で電車に轢かれ不幸にも亡くなられた方がおりました)。

また、交通事故に遭ってしまった男性の方からもお聞きしました。当時は忙がし過ぎて自分を見失っていて、恐らく心と体がバラバラであったそうです。

このようなときは自分であって自分でなく、体がそこにありながら心があらず、邪気によってコントロールされている場合もあるのです。

呪縛した悪い気や浮遊する邪気などが、考え過ぎる脳の過去意識のままの悩みの状態と同調すると、その場所の邪気の悪い波動がご自分の波長やチャンネルと合いやすくなってしまいます。

その場所で事故に遭(あ)うような感覚に襲われるのは、自分の過去意識のままでフリーズした気持ち(過去に投影した心の凝縮)が、その場所の悪い気(負の波動)と同調し反応するからです(幼い頃の嫌な出来事から逃避したいという、無意識の抑圧された衝動という解釈の仕方もあります)。

それを回避するために座禅をして瞑想する方法や、富士山や伊勢神宮などのパワースポットを訪れ良い気を頂く方法があるのですが、時間に余裕がなく行くことができない場合もあるでしょう。

※本記事は、2020年2月刊行の書籍『永遠快気の生き方』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。