助産所での出産体験からより自由な出産を希望したH・Cさん

病産院での出産を経ず、助産師のサポートで助産所あるいは自宅出産をした人の中にも、自分の身体感覚で児が生まれてくるペースを感じながら産みたいという希望を持ち、プライベート出産を選択した人がいます。

H・Cさんは、2005年から2011年の間に第1子から第3子まで3人の子どもを助産所で出産し、その後2014年に第4子をプライベート出産しています。H・Cさんは、第1子からなるべく医療介入の少ない出産をしたいと考え、第3子まで助産所で出産しました。

信頼できる助産師の立会いのもとで出産していたH・Cさんは、第3子を出産し、今度は誰からも何も指図されずに自由に産んでみたいと思うようになり、第4子でプライベート出産に臨みました。H・Cさんは第3子の出産体験をこのように語っています。

「“こういう姿勢にして”とか、“お尻突き出して”とか、わりと言われたんですよね。後になって、好きな体勢で産みたかったなとか思いましたね」

「すごく信頼してるので、まあそういうもんかなと思っていたんだけど、ふつふつと疑問が、あれ、私もっと自由にやりたいし。やれるような気がするな~って」

H・Cさんには医療不信はありません。逆に信頼できる助産師のサポートのもとに行った3回の出産によって自分で産める自信ができ、その結果、より自由で自律したプライベート出産を選択するに至ったのです。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『私のお産 いのちのままに産む・生まれる』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。