知識と意識と行動は別物

セクハラ、飲酒運転、暴力、パワハラ、災害や品質トラブルの隠蔽など、さまざまな社会問題が発生しています。その大きな原因は、監督者など上司がさまざまな経験を積んでいない若い世代に変わり、メンバーへ噛み砕いて説明できず、上層部から言われた通り一遍の説明で終わるために、メンバーの知識、意識、行動までつながっていないのではと思います。知識と意識と行動は別物です。

品質で言えばQC手法、安全、防災で言えば、法的教育、資格、RA、KY、3S、難しい熱中症教育、会社のルールなどがあります。そして知識を身に付けるのと実践するのとは、違います。いくら知識を身に付けても実践する意識がないと行動できません。意識があっても実践しなければ意味がありません。ここが大事なところです。

例えば、コンビニの駐車場で「事故が多いのでバック駐車をしてください」と言われても、なぜなのかわからないし守りません。駐車場へ入るときは前方駐車が便利です。しかし買い物が終わり出るときには、ドアを開ける、買った物を置く、エンジンをかける。シートベルトをつける。このときには周りの状態は変化しています。

そこで、バックで片方しか見えず出てしまいます。これなら当然事故が多いわけです。逆に最初にバック駐車をしておけば、すぐに発車できます。ただし左右の車と人には注意は必要です。

このように、守れと言っても、なぜなのかを教育しないと知識があっても意識がされないので行動に現れません。だから本当に守っているかは現場で確認しないとわかりません。交通関係は会社外なので確認できませんが、社内ではモニタリングが重要です。守っているかは隠れて見ること。監督者の姿を見せれば殆んどのメンバーは守るでしょう。

肝心なのは、誰も見ていなくても守っているかです。守っているところも、守っていないところも見てやらないと最後には誰も守らなくなります。それが人の心理なのです。これができないと問題が当然発生します。監督者一人ではメンバー全員は見られません。

そのために、本当に守っているかをウェブカメラや巡回のときにしっかり確認することが大切です。ただ、結果が出て守っていないことがわかる場合もありますが、失敗してからわかるのでは遅いのです。自分の目で確かめ、守っていたらきちんと褒めることが大切です。