あそびを深めることが“学び”につながる

先著『大切なことはみんな保育園で学ぶ』で「あそびを深めることが“学び”につながる」ということを述べるとともに、その中間点でのまとめをDVD(研究保育)として巻末に収録しました。それをご覧になるとよくわかっていただけると思いますが、子どもたちは、クラスの成長と子ども間での関係の深まり、子どもたちと先生との関係の深まりによって、成長した姿を見せてくれます。

たとえば当園では、2月の生活発表会では3才児以上のクラスは劇あそびをするのですが、1月初旬の導入段階では昨年度の劇あそびの記憶をよみがえらせるようなことばがけをしたり、最近読んだ絵本のことを持ち出したりします。先生がストーリーやせりふを考えるのではなく、子どもたちとの話し合いの場に、主任や副主任そして前年度のクラス担任の先生に同席してもらいます。

それにより、担任の導入段階のことばがけや一人ひとりの子どもの性格の把握などについて、いろいろな角度からの助言を受けて、あそびを深めていきます。その結果、生活発表会当日の2日前でも、子どもたちは自ら進んでともだちや先生の前で具体的な反省のことばを発するほどの成長した姿を見せます。子どもたちの成長のプロセスを先生が把握して劇あそびを深めることによって、子どもたちはどんどんと成長していきます。

劇あそびとはだいぶ違いますが、園庭での追っかけごっこやオニごっこ、車あそびなどの自由あそびによっても、子どもたちは脚力をつけたり、危険を回避する力をつけていきます。たてわり保育などよりも、自由に遊ぶことによって、ともだちのことをよく理解するようになります。

当園のような劇あそびをしている保育園・幼稚園は少なくなっているように思います。最初から大人に見せることが想定された、先生が考えたストーリーやせりふを子どもたちに教えこむようなオペレッタ形式のものや、早い時期から練習をくりかえしている合奏が多く行われているように思います。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『明るい保育は未来を明るくする 「積極的保育」のススメ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。