産み方の思想が確立していたA・Hさん

A・Hさんは2012年から2015年までに、3人の子どもをプライベート出産しています。A・Hさんは20歳の頃から医療者の立会わない出産があることを知っており、体験者との交流の中で出産に対する思想はすでに確立していました。

「(出産するには)自分で産むっていう自覚が必要だと思う。前提に妊娠は病気じゃない。病気じゃないから病院にかかる必要ないんですよね。基本的にね。昔はね、みんなお産婆さんが来て家で産んでいる(のだから)……」

A・Hさんは、自然環境に優しい生活を重視し、自給自足を行っています。そういった生活を送る中で、若い頃からプライベート出産体験者との交流があり、妊娠出産は本来病気ではなく、女性には産む力が備わっており、女性自身がそのことを自覚し、備わった力で産もうとすれば医療に頼らずとも産めるものと認識し、自分もそういう産み方を大事にしようと考えていました。出産の選択には、人生の中でどのような人とつながりどのような体験談を聴いているかが影響します。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『私のお産 いのちのままに産む・生まれる』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。