2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

5 児童家庭福祉

児童家庭福祉」の勉強の工夫

筆記試験の四科目目は「児童家庭福祉」で、私自身が筆記試験で苦杯をなめた科目である。児童家庭福祉の理念を理解し、子どもの権利を守り保障する児童福祉法を中心に憲法、児童憲章、ジュネーブ宣言、世界人権宣言、児童権利宣言、児童の権利に関する条約などを整理しておくことが大事である。これらの法律や宣言、条約は筆記試験でよく出題される。

また児童福祉法に規定されている一二の児童福祉施設の目的と対象をきちんと理解しておく必要がある。保育所を含むそれぞれの児童福祉施設が入所型か、通所型かも含め、筆記試験では必ず問われる。

そして政府による少子化対策や待機児童問題への施策も一九九四年策定のエンゼルプランから二〇一五年の子ども・子育て支援新制度の創設まできちんと理解しておくことが必要である。さらにひとり親家庭・養育費問題、児童虐待問題、個人情報保護と広範囲にわたり出題されるので、「児童家庭福祉」には入念に時間を割り当てて準備することが大事である。

児童福祉と児童家庭福祉の違い

児童家庭福祉とは何か。従来、児童福祉という名称がよく使用されてきて、児童とは「弱くて保護される対象」と見なされていた。長い間、子どもに対する福祉とは「子どもと妊産婦」を対象にとらえていて、ウェルフェア(Welfare)の考え方、つまり「福祉の対象となる者(この場合、子どもと妊産婦)は社会的弱者であり、保護すべき者たちである」とした受動的福祉観を中心に成り立っていた。

それに対して、現在の児童家庭福祉は、福祉サービスの対象に「子育て中の家庭を含む」として、子どもの生活の基盤である家庭そのものが重要視され、ウェルビーイング(Well-being)の考え方に基づいている。ウェルビーイングとは、WHO(世界保健機関)憲章の考え方で、そもそも健康の定義はウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態であること)であり、「弱者に必要なサービスを授与するだけでなく、すべての個人が主体性を持ち、自己実現を求めることを保障される」という能動的福祉観を持っている。

児童家庭福祉の理念とは

児童家庭福祉を考える上で、児童福祉法が基本となり、また児童福祉法の前提となる日本国憲法(第一三条、第一四条、第二五条)についても頭に入れておく必要がある。さらに、背景となる児童憲章、ジュネーブ宣言、世界人権宣言、児童権利宣言、児童の権利に関する条約などを整理しておくことが大事である。

筆記試験の児童家庭福祉では、これらの児童福祉に関連する法律や宣言の名称や時期、内容が問われるので、よく覚えておく必要がある。ただ、お気づきのことと思うが、児童家庭福祉の考えにシフトしたというが、法律名は児童福祉法のままであり、一二種類の施設名も児童福祉施設と言われるのは不思議である。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。