②その他のスタチン系の場合

パスカラニュース181号では他のスタチン系薬剤についても調べており、最大平均値と最小平均値の比は次のようになっていました。

 

アトルバスタチンでも結構な差があると思いましたが、他のスタチン系では、それ以上に差が出る結果となりました。

これだけの結果からあえて違いをいうならば、水溶性のプラバスタチンやピタバスタチンはより差が大きく出る傾向があり、脂溶性のアトルバスタチンやシンバスタチンでは差が小さい傾向があるといえるでしょう。

いずれにしても試験対象、試験期間などの違いによって薬物動態パラメーターに2倍以上の差があることが分かりました。

③まとめ

よく添付文書に書かれているパラメーター値(AUCやCmaxなどの値)を利用して薬の血中濃度を推測しようとする場合がありますが、人によってかなりのバラツキが出ると思って利用する必要があります。

※本記事は、2021年7月刊行の書籍『知って納得! 薬のおはなし』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。