2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

4 社会的養護「社会的養護」の勉強の工夫

施設養護と家庭養護の違いとは何か

社会的養護は、施設養護と家庭養護に分けられる。施設養護とは、保護を必要とする児童を児童福祉施設(児童養護施設・乳児院・児童自立支援施設・情緒障害児短期治療施設など)に入所または通所させて養育させることである。一方、家庭養護とは、保護を必要とする児童を養育者の家庭に迎え入れて養育することである。

具体的には、里親制度やファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)が該当する。施設養護の中でも、家庭的な養育環境を目指す取り組みは家庭的養護と言われ、グループホームや小規模グループケアが該当する。

現在、政府は、家庭養護と家庭的養護を合わせたものを広義の家庭的養護として、その推進を図っている。従来からの施設養護は利点もあるが、子どもの人数が多いために問題点の方が大きいかもしれない。政府が家庭養護に力を入れているのもうなずける。

家庭養護の実際

家庭養護の例として、里親制度とファミリーホームについて見てみよう。筆記試験では里親制度やファミリーホームついてよく出題されるのでそれぞれ理解が大事である。

里親制度とは、両親と死別、両親の離婚や行方不明、両親の養育拒否などの理由により、家庭での養育が困難な子どもを、両親に代わって、里親が子どもを養育・保護する制度である。里親制度は、当然ながら、大人数の子どもの施設養護に較べて、里親と子どもとの継続的な人間関係が作りやすく、実際の親子の家庭に近い環境で、子どもを養育・保護できる。

里親制度には、養育里親、専門里親、養子縁組里親、親族里親の四種類の里親がある。どれも、里親が養育についての理解と熱意があること。経済的に困窮していないこと。養育里親研修を終えていることなどの条件がある。

一方、ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)とは児童福祉法の改正により、二〇〇九年に創設された。ファミリーホームにおける養育者は、児童福祉施設の職員経験者で原則は夫婦二名と補助者一名である。ファミリーホームへの委託児童は、五~六名が上限である。

家庭的養護の実際

家庭的養護の例として、グループホームと小規模グループケアを見てみよう。筆記試験ではそれぞれ出題されるので正確な理解が必要である。グループホーム(地域小規模児童養護施設)は二〇〇〇年に制度化され、児童養護施設の分園型であり、少人数とすることで、施設養護よりも家庭的な環境で児童にきめ細かいケアを目指している。

職員は専任職員二人(児童指導員か保育士)とその他の職員で、委託児童は六人との規定がある。平成二五年で二六六施設が運営されている。一方、小規模グループケアは二〇〇五年に定められ、児童養護施設、乳児院、情緒障害短期治療施設、児童自立支援施設などの施設養護の内外で行われ、委託児童は六~八名である。平成二五年で九三一施設が運営されている。

「社会的養護」を学んで

社会的養護という言葉を聞きなれていなかったが、保護者が子どもの養育ができない場合、または保護者の養育が不適切な場合、子どもの養育を公的責任が行うことを再認識できた。そして、国、都道府県、市町村、児童福祉審議会、児童相談所、福祉事務所、保健所などの役割りと責任についてよく整理できた。

さらに社会的養護は施設養護と家庭養護の二種類に分けられ、現在は家庭的な養育環境を目指す家庭養護に政府の力点が置かれていることを知ることができた。家庭養護の具体例として、里親制度とファミリーホームの仕組みが理解できた。社会的養護について自分の知識の空白部分を埋めることができて、同時に理解を深めることができ良かった。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。