ところが、日本では、また問題が発生しているようです。太陽光発電が急速に伸び始めると、それにブレーキをかけようとする力が働いているようなのです。最近になって再生エネルギー買取制度(FIT)に書かれている条項の「送電線が一杯になる可能性があり停電を起こすかもしれない」という理由で、電力会社が再生可能エネルギーの買取を拒否するようになりました。

再生可能エネルギーがこれ以上増えると原発がいらなくなってしまうからだといわれ、太陽光発電に再びブレーキがかかり始めているようです。FITが動き出してから再生可能エネルギー、とくに太陽光発電のメガソーラー設置が進んで、たった2年間に原発3基分・総発電量の0.3%(30億キロワット時)を占めるようになりました。

この調子でいけば、日本でも夏期の昼間は太陽光発電が重要な寄与をすることがわかってきました。これは政府がエネルギー基本計画で、エネルギー政策の要諦とした3E+S〔安全性(Safety)、安定供給(EnergySecurity)、経済効率性(EconomicEfficiency)、環境適合性(Environment)〕に最も不適合として排除してきた太陽光発電が、最も適合するようになる恐れが出てきたということです。

「劇症型地球温暖化」はすぐそこまできています。世界の大勢は2020年ごろから、太陽光発電がグリッドパリティを達成し、次の段階に移っていくでしょう。太陽光発電がもっとも経済的であるとなれば、それは短期間で普及していきます。それは戦後、石炭から石油に短期間で転換した「流体革命」の例からも明らかことです。日本も脱兎のごとく動かないといけない時期にきていることは明らかです。

※本記事は、2021年5月刊行の書籍『「グローバル・サンシャイン計画」で防ぐ劇症型地球温暖化』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。