ツイン・エネルギーとは

改めて、本書で取り上げる「ツイン・エネルギー」とは一体何なのか、ここで触れておきましょう。「ツイン・エネルギー」――それは、私たちが内側にもつ「女性性と男性性」という対の性質を意味しています。

先にもお伝えした通り、性別について何等かの示唆をすることが、本書の意図ではないことを改めて伝えさせてください。私が出逢った女性の多くは、男性性を自然に発揮し、女性性をもっと磨きたいと感じていらっしゃいました。

数多くの男性は、豊かな女性性を実感し、更に男性性を高めてバランスをとりたいと思っていらっしゃったのです。

2つのバランスは、個人によって全く異なるものです。また本書は、LGBTを始めとする性的少数者の方々について、何らかの示唆をするものでもありません。女性であれ、男性であれ、性的少数者であれ、私たちの内側には、女性性と男性性という豊かな資質を備えていること、そしてその調和を取り戻すことの大切さを、本書ではお伝えしていきたいと思っています。

女性性は静のエネルギーを表します。もしこれを人に喩えるとしたら、私たちを無条件に受け入れ、愛し、見守ってくれる内なる存在とも言えます。右脳優位で、直感的な力に優れています。

男性性は動のエネルギーです。人に喩えるならば、私たちが思うことを形にし、前進させ、実現させてくれるような存在です。左脳優位で言語や論理に強いとも言えます。

この2つのエネルギーは、補完関係にあり、2つで一体となって、自然の秩序を私たちにもたらそうとしてくれているのです。

ツイン・エネルギーのバランスが整っている時、私たちは、自分本来の力を取り戻すことができ、潜在的な力をフルに発揮できる可能性が高まります。結果として、前に進めるようになったり、願っていたことを実現することができたり、新しいものを生み出したりすることが、より自然に起こってゆきます。

逆にどちらか一方に偏りすぎて、片方のエネルギーを全く使わなかったり、使いすぎたりすると、対としての働きができず、乱れたエネルギーを体験することが多くなります。

ここで心に留めておくべきことは、私たちはいつでもツイン・エネルギーのバランスを取り戻すことができるということです。2つのエネルギーはまるで、私たちに右脳左脳があるように存在しています。どちらかに偏っているのであれば、もう一方を磨くだけです。

それは、誰でもいつからでもできるのですから。私たちの内側にあるこの2つのエネルギーは、互いに協力し、私たちを勇気づけ、本来の自分に戻し、夢を実現することを支援してくれるのです。