ありのままに生きよう

「普通」ってなに?

私が長年苦しんだことの一つに「普通の夫婦」、「普通の親子」、「普通の家族」の概念があります。これに私たち家族は当てはまらなかった。世の中にはびこる「普通」。人間が勝手につくり出す「普通」。ここに当てはまっていなければ、本当に「異常」なんでしょうか。

私が一歩踏み出せたのは、この「普通」を壊したからです。「夫婦はこうあるべきだ」、「親子はこうでなければならない」、「家族はこうあるべき」これを壊した。こういう夫婦や家族があってもいい、こういう親子もアリ。だって、これが本当の自分なんだから。一番楽な自分なんだから。だから、私はあえて娘たちを父親から隔離しました。夫の価値観や思考に娘たちを触れさせたくなかったから。そこに違和感があったから。

私も長年抱えていた「夫婦は話し合い、コミュニケーションをとり、二人で協力して家族をつくっていくもの」というつくられた「普通」を壊しました。私が独断で何でも決め、責任を取り、覚悟し、そして最後に離婚をして、世の中で言われている「普通」の良い夫婦を壊した。

だから「普通」に縛られないでくださいね。そんなもの、この世には存在しない。離婚したって、家族そろって楽しい旅行ができなくたって、別居してたって、シェアハウスだって、夫婦の気持ちが通じてなくたって、それが自分で一番快適だと思うならば、それがあなたにとっての「普通」なんです。「普通」なんて周りから押しつけられるものじゃない。人間の数だけある。自分がいいと思えば、それが自分の「普通」。それを見つけてください。

※本記事は、2021年6月刊行の書籍『カサンドラ症候群からの脱却』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。