また私や事務室の職員も全体の子どもたちを見守るようにしています。時間は、朝八時三〇分から九時三〇分の一時間と、午後四時前から四時三〇分の約三〇分です。

また、お昼の給食を早く食べ終わった一才児クラス、二才児クラスの子どもたちがそれぞれのクラスごとに園庭に出て、自由に遊びます。三才児、四才児、五才児のクラスの子どもたちもほとんど毎日、給食が済むと園庭に出てきて遊びますが、一才児、二才児が園庭で遊んでいるときはまだ園庭に出てきていないので、小さい子のクラスも比較的広く園庭を使って自由に遊びます。

このように一才児、二才児クラスの子どもたちが給食を食べた後、園庭に出て遊ぶ保育園は、公立・民間ともにほとんどありません。開園後すぐの約四〇年前から、子どもたちの気持ちをリラックスさせるとともに自分で自由に動き、気持ちの向くまま一人で遊んだり、ともだちと遊んだりする時間を持つことは大切だと考えて、取り入れました。

小さい子が大きい子と自由に入り交じって遊ぶと、ときには乗っている三輪車を大きい子にとられたり、オニごっこあそびをして速く走っている大きな子とぶつかりそうになって危ないと思う場面があったりします。しかし、小さい子が大きい子に遊んでもらったり、三輪車に乗っている小さい子を大きい子が後ろから押してあげている姿もよくあります。

また、大きい子が遊んでいるのを近くで見ていて、小さい子も自然にともだちとの遊びかたを学んでいるように思います。そして、危険を察知したり、避けたりする力も自然に身につけていくようにも思います。

なお当園は住宅街のなかにあります。園庭で自由あそびをしているときの子どもたちの声は相当に大きく、また男性保育士をはじめ先生たちの声も大きいので、三、四〇m先の家には子どもたちや先生たちの声もよく聞こえるのですが、近隣のかたから園に苦情が寄せられることはありません。それは私をはじめ職員が、近隣の人とふだんからよく雑談を交わす関係があり、園の保育を理解してもらっているからだと思います。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『明るい保育は未来を明るくする 「積極的保育」のススメ』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。