経営改善に向けた「気付き」のために

それでは次に、これまで述べてきた項目をベースに、経営改善に向けた方策を考えてみましょう。

「既に取り組んでいる」「それは無理だ」など、いろいろ意見はあると思いますが、P/L「利益」と、B/S「キャッシュ」の考え方のヒントになると思いますので、参考にして下さい。

1.入金・出金タイミング(サイト)等の見直し

(1)販売先には、取引条件「月末締め・翌月末払い」をお願いし、

  =自社への入金は1ヵ月遅れ、

   仕入先には、取引条件「月末締め・翌々月末払い」

  =自社からの出金は2ヵ月遅れ、の交渉。

 これにより、最初の1ヵ月で入金現金の「資金滞留」を作ることができます。

 ※ただし、仕入先から「資金繰りが苦しいのでは?」と不審に思われない交渉が必要です。

(2)販売先の売上入金時に、銀行振込手数料分を「差し引いて入金」してくる相手先に、振込額を全額としてもらう交渉。また、反対に、仕入先に対して、支払時の銀行振込手数料分を「差し引いて送金」することの了解をもらう交渉。

(3)決済代行会社(クレジット決済等)から差し引かれる「手数料率」引き下げ交渉。

2.適正仕入・在庫(棚卸資産)管理の取組

「在庫とはキャッシュが寝ていること」。借入がある場合は「在庫には金利がかかっている」。

(1)小売業・製造業とも、仕入発注点(在庫がどこまで減ったら次の発注をするか)の適正管理。

(2)長期滞留在庫の放出。原価割れでも、P/L「利益」を取るか、B/S「キャッシュ」を取るか選択。

※食品等(消費)期限がある商品は、期限切れ「廃棄」を発生させない「商品管理」の徹底。

(3)仕入と在庫・売上原価の関係性の理解

以前説明した売上原価とキャッシュの理解、に加えて、製造業・建築業など「製造原価」がある場合は、棚卸資産と売上原価について、次の「※重要」について理解が必要です。