雨の山

息せき切って登り行く我にすれ違う女が

山の上でお月見?今から登るのは?

悪い冗談かと思いきや真面目な顔してる

何の月見ぞ、今にも泣き出しそうな空なるに

どうして私、あなたからの電話があると

いそいそと行くのかしら

もう私疲れてしまって、今日は二人の男を振ったのに

降り始めた雨に傘さしながら山道を登る

俺だって泣き出したい時があるのだ、君以上に!

私、久しぶりに女性とキスしたの

もう男なんていらないなんて言われながら──

山頂に蕭々と雨が降る、俺は下界をながめてる

心をつかめないいらだたしさとみじめさと──

あの女の頬にふれた手をああ暖かい等と言われて

愛の言葉をささやいたら、もうふれないで!

頭痛いから!だと──

何故あの女はかくも俺を苦しめるのか

今あの女と別れ来てこの山に居るのだ