2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

 4 社会的養護「社会的養護」の勉強の工夫 

三科目目の「社会的養護」では、保護者が子どもの養育ができない、または養育が困難な場合に、子どもを社会が公的責任でどのように養育・保護するかを問われる。社会的養護の仕組みと実施機関の役割りを正確に理解していることが求められる。具体的には、厚生労働省や都道府県、児童福祉審議会、市町村、児童相談所、福祉事務所、保健所などの役割りや機能について出題される。

また社会的養護は従来型の施設養護から、政府が力を入れている家庭養護へと推進をしていて、里親制度やファミリーホームについても必ずと言ってもいいほど出題される。「社会的養護」も集中して勉強すれば、取りこぼす科目ではないだろう。

社会的養護とは何か

一般に聞きなれない、社会的養護とは何なのか。社会的養護とは、保護者が離婚や病気、事故などで子どもの養育ができない場合または、保護者による子どもへの虐待などで保護者による養育が困難な場合に、子どもを公的責任で社会が養育・保護することを言う。

また養育に困難がある家庭への支援を行うことも含まれる。子どもの養護について考える上で、「養護」、「保育」、「監護」の三つの用語を理解する必要がある。「養護」とは、保護者や公的社会の責任で、子どもを養育し保護することを言う。「保育」とは、養護と教育を合わせたもの。子どもの成長や発達の促進の観点から、養護と教育は切り離せない。「監護」とは、民法の親権規定で言及され、子どもを監督・保護・教育することを言う。

通常は、子どもは保護者によって監護されるが、虐待などの要保護児童の場合は児童福祉施設の施設長などが親権を代行し、子どもを監護する。

社会的養護の仕組みと実施機関

社会的養護についての国と地方公共団体の役割と業務について見てみよう。筆記試験ではよく出題されるので、きちんとそれぞれの役割と業務や権限について理解しておく必要がある。国としては厚生労働省が児童家庭福祉などの福祉全般の中央行政機関で、雇用均等・児童家庭局が子どもと家庭に関する福祉を担当している。

また都道府県への指導監督も行っている。都道府県は児童福祉事業の企画や予算措置、児童福祉施設の認可や指導監督、市町村への援助、児童相談所・福祉事務所・保健所の設置や運営などを行う。政令指定都市(政令で定められた人口五〇万人以上の都市で現在二〇都市が該当)も都道府県とほぼ同じ権限をもつ。

また中核市(人口二〇万人以上の都市で面積が一〇〇平方キロメートル以上)も児童家庭福祉行政の一部は都道府県と同等の業務が可能である。児童福祉審議会では児童、妊産婦、知的障害者の福祉についての事案の調査・審議をする。

都道府県は児童福祉審議会の設置が義務づけられており、市町村は任意である。市町村は社会的養護サービスの具体的な実施機関であり、住民にとって最も身近な地方公共団体である。保育所における保育の実施、保健センターの設置、児童家庭福祉についての調査・情報提供・相談・指導や母子への健康診査や母子健康手帳の交付などを行う。

児童相談所は、子どもについてのいろいろな問題(虐待、要保護児童の診断・判定など)の相談に応じること、児童についての援助活動をする。児童福祉法において、都道府県と政令指定都市には児童相談所の設置義務が規定されている。

福祉事務所は担当する福祉についての法律に基づき援護の措置や育成の措置に関する事務を行う。福祉事務所での児童家庭福祉についての業務は、子どもと妊産婦の福祉に関する実情把握、相談、調査、指導などがある。また福祉事務所長は、児童に関して必要なら措置をとることができる。社会福祉法によって、都道府県と市(特別区を含む)には福祉事務所の設置が義務づけられている。

町村での福祉事務所の設置は任意である。保健所はその地域の住民の健康や衛生のための公的機関で、都道府県、政令指定都市、中核市、特別区などに設置される。児童福祉法に基づく保健所の主な業務は、児童の保健に関する衛生知識の普及、児童の健康相談、健康診査、保健指導などをすることである。一方、市町村の保健センターは、住民への健康相談、保健指導、健康診査などを行う。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。