2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

3 教育原理

保育所保育と幼稚園教育の比較

意外と知られていないが、教育の五領域について、下記のように保育所保育指針は幼稚園教育要領とほぼ同様であるが、幼稚園教育には養護の概念はない。一方、保育所保育には当然ながら養護の考えがあり、養護と教育の一体化を視野に入れている。

写真を拡大 [図表1]保育所保育と幼稚園教育の違い
出典: 保育所保育指針と幼稚園教育要領を参考に筆者が作成

外国の教育の歴史

ここでは、海外の教育、特に子どもへの教育の歴史とその先駆者たちについて学ぶ。紀元前四世紀のギリシャの哲学者プラトンは同時に教育者でもあった。なんと多くの先人や偉人が子どもへの教育の重要性を訴え、その仕組み作りに尽力してきたことか、私は彼等の血の滲むような努力に心から感動した。

そしてこれらの一人ひとりのおかげで、現在の子どもたちの教育の基本と仕組みがあることがよく理解できた。教育分野の先駆者の一部は児童福祉施設や保育施設の先駆者と重複する。保育の概念は教育を含むので、当然と言えば当然である。

写真を拡大 [図表2]海外の教育分野の流れと先駆者

日本の教育の歴史

日本においても、なんと八世紀初めに最初の学校制度が設けられた。全国的な民間教育施設として江戸時代の寺子屋があるが、明治時代に現代の教育制度の基礎が確立された。ここでも多くの先人たちが教育制度確立のために尽力された。

写真を拡大 [図表3]日本の教育分野の流れと先駆者

現代の教育の課題

現在、子どもたちを取り巻く家庭・学校・社会といった環境は悪化傾向にあるかもしれない。保育所では直接は関係がないが、教育現場では暴力行為・少年非行・いじめ・不登校・引きこもり・学級崩壊などがマスコミなどで取り上げられることが多い。文部科学省は教育現場での新しい教育改革を目指していて、保育士試験の教育原理でも出題されるので正しく理解しておく必要がある。例えば不登校と引きこもりの違いなどである。

「教育原理」を学んで

教育原理からは、実に多くを学んだ。何と言っても、子どもへの教育の重要性は明らかであり、教育に関する法律・規定についての理解は大切である。具体的には、憲法第二六条、教育基本法、学校教育法、幼稚園教育要領、学習指導要領などである。

また欧米や日本において、古代、中世から近世、現代へと子どもへの教育の仕組みや内容作りにいかに多くの先達が尽力してきたことか。現在の子どもへの教育の仕組みや内容はそれら先達の努力の上にあると言っても過言ではない。

私は教育原理の学びの中で、そのような先達への感謝の気持ちがこみ上げた。一方、現代の教育の課題については、教育現場での暴力行為・少年非行・いじめ・不登校・引きこもり・学級崩壊と実に根が深い。文部科学省による教育改革へのリーダーシップが求められる。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。