しかし 高校に進学しても また別の人が現れました

私はまた思いました

「大学では あいつもいなくなって 今度こそレギュラーになれるはず」

しかし 大学に進学しても やはり同じような人がいました

就職して実業団に入っても 変わりませんでした

そこで初めて私は気が付きました

自分にとって都合の良い人間だけに囲まれた環境など 世界のどこにもないのだと

「ああ あいつがいなければ 彼女は俺の恋人になって

結婚できたかもしれないのに」

私は新入社員の頃 恋愛で「あの人さえいなければ」とよく思っていました

見た目 積極性 話術 仕事のスキル…… 全ての面で分が悪かったのです

三年目で異動して また違う女性に出会った時 次はパートナーができると思いました 

しかし また別の男性が立ちはだかりました

私はまた思いました

「あいつがいなければ 彼女は俺の恋人になって 結婚できたかもしれないのに」

七年目に異動して また違う女性に出会った時も やはり同じように強敵が現れました

結局 彼女も自分のものにはなりませんでした

十三年目に異動して また違う女性に出会った時も 状況は変わりませんでした

そこでやっと私は気が付きました

問題は 相手ではなく 自分自身の中にあったのだと

※本記事は、2021年6月刊行の書籍『愛は人を選ぶ』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。