3章 フェール・セーフの技術的側面

3-2 フェール・セーフのレベル

フェール・セーフにはその運用にレベルがある。これを認識して対応する。

(1)絶対安全

立体交差通路、ニアカーテン(空気流による遮断帯)、トランジスタ応用エレクトロニクス等のように、原理的に人間に危険を与えないもので、安全上は運用に特段の注意はいらない。

(2)機能安全(保護安全)

機械の自動制御系で車の運転、回転自動機等は、運転中の注意、自動停止等の保安設備の付加で安全が保てる。常に条件付きであることに注意しなければならない。

(3)制度安全

本来危険をはらんだものであるが、運用の便益があるので、法制度、規律、免許訓練、表示により常に用心、配慮して危険を知った上で組織としての管理力で安全を保持するものである。

先制安全6章で述べるような最新技術を駆使することで、異常を検知・察知することにより危険を予防することが可能になりつつある。

2~3の例を挙げておく。

イ.航空機の飛行前のビッグデータ蒐集による分析で安全を守る(同一航空機内部各部のデータ、世界的に蒐集した同種機の問題発見による飛行中止を含む安全策)

ロ.機械の超高速取引の上限制止

ハ.星探査機の状況データによる先行安全運航

ニ.医療における発症前予測、発症前介入を行う先制医療の展開

3-3 システム稼動の一生

システム製作が完了するとシステムは図1のような経過をたどる。

すなわち期間Aは初期故障期とも言われ、安定化のためのバーンインという期間、初期不良の除去(スクリーニング)、慣らし運転等により、製品の初期不安定要素を除去する期間であり、通常工場内で監視試運転される。

期間Bはシステムとして安定動作が期待できる期間で、安定稼動に供される期間である。

期間Cは使用部品の経年劣化、磨耗等により故障が増える末期症状が見られる。これはシステムの障害率が上がり、信頼性がなくなる時期で、システムの寿命とみて使用を停止する時期である。

最近は使用部品の品質が向上したこともあって期間Aは短い。期間Bは次に述べるRAS技術等により大きく期間が延び、安定試用期間となる。

期間Cは寿命末期と判断され、廃却されるのが一般であるが、最近は性能の優れた新製品との代替で新製品との代替置換となることも多い。

[図1] システム稼働の一生
※本記事は、2018年11月刊行の書籍『「フェール・セーフ」に学ぶ災害対策論』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。